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全日空オープン 1999

アルバトロスを決めた冨永浩

アルバトロスを決めた冨永浩。「めったにあることじゃない。ボールは大事にとっときます」
コースの上空も夕焼け色に染まるころ、プロ10年目の冨永浩が、得意げにホールアウトしてきた。
 最終9番ロングホール(この日インスタート)。5番ウッド(クリーク)で打った、残り240ヤードの第2打がグリーン手前でワンバウンド。そのあと、ボールは富永の視界から消えたが、『ガチャン』という音だけが聞こえた。「その瞬間、ゾクっとした」(冨永)

 昨年の日経カップでデービッド・スメイルが、初日に記録して以来ツアーで17人目(通算19回)のアルバトロスを達成だ。

 「ホールインワンは4回あるけど、アルバトロスは初めて。アルバトロスはそんなにあることじゃないから、ほんと嬉しいね〜」。

 8番までで通算3オーバー。予選落ちの危機(カットラインは2オーバー)だっただけに、「9番ではなんとかバーディを、と思ってヒヤヒヤしながら打ったんです。9 番が最終ホールでよかったですよ、まだハーフあったら、変な感じだったかも」。

 この快挙で、一挙にスコアをイーブンパーまで戻し、32位タイにジャンプアップ。楽々予選通過を決めた。

 冨永浩のはなし
「きょうは調子が尻上がりでよくなってきていたんですが、アルバトロスはまさかです。
 使ったクリークは、今年のミズノからバッグに入れてるものです。
 ぼくら力のないものは、2番アイアンでクグリーンをねらうとキャリーが出たとしても、グリーンで止める球が打てないんです。
 クリークがあれば、200ヤードくらいを打ちたいときに、高い球で、確実にバンカーや池を超えていけて、なおかつ、グリーンで止まりやすい。
 2番、5番交互に入れながら戦っていたときは『あ、いまクリークを持っていればな』ねくて、困ることが多かったんです。おかげで楽に予選通過できて、よかったね」

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