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UBS日本ゴルフツアー選手権 宍戸ヒルズ 2007

中国の張連偉が5位タイ

2003年から2年連続のシード権を獲得し、日本ツアーでの経験を糧に世界に飛び出して行った張が、2年ぶりに戻ってきた。

「宍戸に来た途端、みなさんが温かく迎えてくれて。そろそろこっちに戻ってきたら、なんて言ってくれる選手までいたりして・・・」。

久しぶりの日本で、その歓迎ぶりが嬉しくてますますやる気になった張は言う。

この日は12番でティショットを林に打ち込み痛恨のトリプルボギー。
しかしその7打目に5メートルのパットを入れたことで、「まだ終わりじゃない」。
気持ちを入れ替え、次の13番から怒涛の4連続。

4つ目の16番パー3は、8メートルもの長いバーディパットをねじ込んだ。
息を吹き返して5位タイに、「ドライバーはひどいけど、その分パットが非常に良かったから。諦めないでよかったです」と、笑顔もほころぶ。

アーニー・エルスを退けて、欧州ツアーの「カルテックスマスターズ」で中国人初のチャンピオンに輝いたのは2003年1月。
その翌年には中国人として、初めてマスターズの舞台に立った。

その後も順調にキャリアを積んで、今年アジアンツアーと股にかけるチャイナツアーで早くも2勝を上げている。
母国・中国の英雄が、久しぶりの日本でぜひとも欲しいのがやっぱりツアー初優勝だ。
これほどの実力者も実は、日本での優勝はまだ。
「・・・ぜひ、最終日にそうなればね」。
その人柄どおり、控えめに話した。

張連偉(チョウ レンイ)Lian-Wei Zhang
1965年5月2日生まれ、中国出身。
「中国アマ」で3勝の実績を持つ張がプロ転向したのは1994年。手はじめにアジアンツアーを転戦。順調に勝ち星を重ね、97年のアジアンツアー最終戦「キリンオープン」で日本ツアー初出場。11位に入り、レベルの高さをアピールした。
本格参戦は2002年から。前年のファイナルQTで4位に入り出場権を獲得すると、翌年には悠々と初シード入りを果たしてみせた。
2003年のアジア・欧州共催のカルテックスマスターズで、アーニー・エルスを下して優勝。しかも、最終ホールでの逆転という劇的な幕切れが評価され翌年にはマスターズの招待状を受け取って、中国人として初めてオーガスタに降り立った。
妻と長男の3人家族。趣味は読書。

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