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片山晋呉が国内初始動

合宿初日は36歳のバースデー。まずは、お誕生日ケーキでお祝い。プレゼントに用意されたいちごのロールケーキには「シンゴさん、お誕生日おめでとう」のプレートが…!!
賞金王が本格的に動き出した。自身36回目の誕生日を迎えたこの日1月31日(土)に、恒例の宮崎合宿初日を迎えた。

本土よりは温暖な気候に加え、「練習環境の良さ、トレーニング施設の充実など、どれをとっても100点以上」と絶賛するフェニックスカントリークラブをオフのキャンプ地と決めてから、もう10年以上がたつ。

毎日のスケジュールもここ十数年、ほとんど変わらない。
この日も早朝からまずはジムで汗を流したあとに朝食。
さて張り切っていざ練習場へ……と、行きたいところだが片山の足取りがどうにも鈍い。

合宿に帯同した谷将貴コーチに尻を叩かれ、渋々と広大な練習場を併設するコース敷地内のゴルフアカデミーにやってきたが、なぜか片山から聞こえてくるのはため息ばかりだ。

昨年は、2年ぶり5度目の賞金王に輝いたばかりか、10月の日本オープンでツアー通算25勝目。
偉業をなしとげ、ひとつ頂点を極めるたびに痛感させられるのは「モチベーションをいかにして保ち続けていくかということ」。

乗り越えた山が大きいほど、また栄光を極めれば極めるほど翌年の気持ちの持っていきように戸惑う。次は何をよりどころに頑張っていけばいいのか。分らなくなってしまうのだという。

一つのことにとことん没頭する性格だからこそ、いい加減な気持ちのままでは、真剣にクラブを握る気持ちにはとてもなれない。
しばらく逡巡は続いた。

そんな片山の様子を見かねた谷コーチが、「それならば」と、とっておきを引っ張り出してきた。
フタには片山の似顔絵と「片山のにもつ」と、まるで子供の落書きのように、太いマジックで大きく書かれた大きなボックスは、練習場の倉庫に置かせてもらっている専用の練習用具入れだ。

1年ぶりに開けるなり、片山の目が輝く。
「今年はやめておこうと思ったけれど…。やっぱり見るとダメ!」と飛びついたのは、1本の釣り竿。

昨年、練習場奥の貯水池でいたずらに糸を垂らした。
フナや鯉に加え、ウナギやカメまで釣れてすっかり味をしめた。
練習の合間の定番となった“息抜き”を、谷コーチは今年、あえてメニューのいちばんに持ってきた。
「まずはこれでテンションを上げて、今年の目標まで釣り上げてやろうという作戦ですよ」とニヤリと笑うコーチの隣で、嬉々として竿を振る賞金王。

誕生日を皮切りに2月7日までを予定しているオフ合宿。さて、この効果やいかに……!?
  • しかしなかなかテンションが上がらない賞金王にはこれ…! 宮崎合宿キットが入ったボックスには釣り竿のほか、キャッチャーミットや工夫を凝らした練習道具がわんさか。
  • ゴルフに取り組むのと同じ熱心さで釣り竿に餌をつける
  • さっそく釣り竿を垂らして…さて、その効果は…!?

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