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PGAフィランスロピー 2000

「ゴルフって不思議なスポーツですね」

スタートの10番でピン右奥8メートルを沈めると、続く11番では6メートルを入れて連続バーディ。15番でも5メートルを入れ、初日トップの横田英治は順調にスコアを伸ばしていった。
だが17番。第2打地点から、グリーン手前まで池が広がるパー4(418ヤード)のティショット。クラブを始動した瞬間に、不安がよぎった。「右には行かせたくない」
途端にスイングは崩れ、球はひっかけ気味に飛んで左斜面へ。第2打は前方の木に遮られ、グリーンを捉えられなかった。
このホールがひびき、次の18番パー4でも第2打を寄せられず3パット。連続ボギーとした。
「これが僕の長い間の欠点だったんです。アドレスで方向を決めたら、その通り思いきって打てばいいのに、恐怖心が先にたつと、ついいつもと違うスイングをしてしまう。これまで取組んできて、だいぶよくなってきていたのに、やっぱり大事なところでやってしまった…」

しかし、すぐに「これが最終日でなくてよかった」と、気持ちを切り替え後半は、仲間の片山晋呉に教わった変則パットで、「苦手だった」という1ピン距離をしのいでオールパー。通算10アンダーに踏みとどまった。

「昨日はあんなにスコアが出たのに、今日は伸ばせなかった。ゴルフって不思議ですね。今日は自分にプレッシャーをかけてゴルフが固くなってた。でも、そんな中でもむちゃくちゃに崩れずに踏みとどまれた。17番のミスショットも『明日の課題』と考えれば、逆によかったかもしれない。今日のゴルフは自信になると思う」

ふいにめぐってきた優勝のチャンス。しかし、横田は欲張らない。「僕なんか、まだまだ勝っちゃいけないと思う。もっともっと苦しんで勝たないと、自分のためにもよくないしね」と謙虚に語っていた。

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