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NST新潟オープンゴルフ選手権競技 2000

「いちかばちか、優勝だけを狙っていく」

 3日目、首位に立った高崎龍雄。昨年シード落ちし、今季は出場権がほとんどない。しかし、今週もし勝てば2年間の出場権が手に入る。一発逆転、シード選手として戦線復帰できるだけに「明日はギャンブル、攻めのゴルフに徹します」と闘志ムキ出しだ。

 高崎龍雄は、昨年の今大会を6位で終えている。今年は、この実績での出場だ。
 昨年12月に行われた出場優先順位を決めるファイナルQTでは決勝ラウンドに進めず、ランク139位。今季の出場権は皆無に等しく、これまで出場できたのはマンデートーナメントから挑戦したミズノオープンと今大会の、まだ2戦だけ。

 少ないチャンスを最大限に生かそうと、「今週は、ギャンブル的にいちかばちかという攻めのゴルフをしています」と高崎。
 前日3日目は、前半のアウトコースで大爆発の30をマークして一時トップに立ちながら、後半リズムに乗りきれず失速していた。
 だが、この日は3バーディを奪って折り返すと、10番で右1メートルをいれてバーディ。
 そしてあがり3ホールでは17番パー3で、あわやエースというピンそば20センチのスーパーショットを放つなど、3連続バーディをマークして一挙に首位に浮上し、「今日は過去にないくらい良いラウンドです」と、したたり落ちる汗もを拭うのも忘れ、笑顔で振りかえった。

 「昨日は後半、リズムにも乗りきれず、ばててしまったこともあって崩れてしまったけど、今日はあがりも良かった。今までになくいいラウンドでした。昨日も、前半だけなら、過去にないくらい良いラウンドだったんですけどね。
今週に入って、暑さにばてないように、クラブを全部2ポイントずつ軽くしたんです。シャフトと切ったりしてね。最初はそのせいでちょっとライ角なんかが合わなかったんですけど、初日終了後にライ角を直して、その日は練習もせずにいきなり次の日の朝、練習場で打ってみたら『すごくいい』と感じたんです。ライ角も自分のスイングにピタっと合った。そしたらそのとおり、2日目からアイアンショットはほとんどピンに絡んでいきましたからね。
 クラブのバランスが合っただけで、こんなにゴルフが良くなった。フェアウェーキープ率もいきなり上がっていますからね。ゴルフはやっぱり距離じゃないな、と思いましたよ。
 今年はツアーの出場資格がほとんどないんです。もっぱらチャレンジツアーに出ている。試合が少なくなったのに、前と同じだけ食べるから、体重が昨年の83キロから90キロ台。大台に乗ってしまって(笑)、スイングで体がうまくまわらないときもあるんです。昨日みたいに後半、ばてるしね。今週は、練習ラウンドを入れたらもう6日間、ゴルフをしている。明日は最後まで持つか、ちょっと不安ですけど、僕の場合はこれに勝たなければ、あとはチャレンジツアーの賞金ランクでシードを取るしか、来年のチャンスがない。昨年は、シード選手として出ていたのに、今年は、ツアーから追い出されたような気持ちがしている。
 明日は、いちかばちか優勝だけを狙っていきますよ」

★ 高崎龍雄
 94年、97年は後援競技の賞金ランクで。95、98年はツアーの賞金ランクでシード入りを果している。
 98年の賞金ランク45位でシード権を得た昨シーズンは、「契約先が変わって新しいクラブやボールで試行錯誤をするうちにいつのまにか1年が過ぎてしまった」と、トップ10入りは今大会の6位だけ。成績は振るわず、シード落ちしている。
 昨年のファイナルQTは、139位で予選落ち。ツアーメンバー枠に入れなかった。今年の出場権はほとんどなく、これが今季2戦目。
 身長171センチ、体重は現在「大台(笑)」の90キロ。
 大阪府出身の35歳。府立刀根山高校入学後に本格的にゴルフを始め、卒業後、すぐに三重県のゴルフ場で研修生になった。21歳で石井哲雄プロに師事。23歳のとき、3度目の挑戦で資格認定プロテストに合格した。

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