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アジアパシフィックオープンゴルフ選手権競技キリンオープン 2000

「ずっと地元で勝ちたいと思っていたから、ほんとうに嬉しい。今回の優勝は、僕の歴史の1ページに、ずっと残ると思う」片山晋呉

 ずっと競ってて、しかも前の組か僕の組から(優勝者が出るん)だってわかっていながら、(プレッシャーに負けず、)後半はボギーもなく、自分のプレーができたっていうことは、次に今回のような(優勝争いの)場面が来たときに、今までとは違う自信が出て、やれるんじゃないかと思います。

 僕は、背も低いし球が飛ぶわけでもない。でも、何かいいことないかな、と追求心を持ったとき、さらにその先に進む能力に長けていると思う。もちろん他の誰でもそういう思いはあるんでしょうが、普通はみんな思っただけでやらない。でも、僕はそのもう1歩、先に行くことができる。とりあえずやってみる。試合で試してみなくちゃ、使えないという考えがあるから。その結果、だめなものは止める。でも僕にとってすごいプラスになることならやってみる。その1歩進む能力が長けているのではないか、と。
  今は以前よりもっとレベルがアップしていると思う。去年からトレーニングをしている成果で、2日目のときのイーグルもそうですが、ああいうイーグル(18番)は、7番アイアンで打っていたと思うんです。それが8番を持てるようになった。8番で振っても飛ぶ体になってきているということなんです。ショットにメリハリがつけられるようになったんですね。薄めのフェードで狙っていたのが、ココっていうときに、振っていけるようになった。

 今日は『僕は僕のゴルフしかできない』と思ってプレーしました。今日はスコアボードを1回も見ないでプレーしたんです。僕はもともとスコアボードを見て、自分の名前が1番上にあるのを見るのが好きなんですが、それでけっこう失敗していますからね。今日は、最後の18番で2打目をバンカーに入れたとき始めてキャディに『ここは何打であがればいいの』って聞きましたよ。『このバンカーからは、どうやって打てばいいの』って。そしたら『乗せるだけでいい』って。で、乗せてから『何パットで行けばいいの』って聞いたら、『ピーター・シニアがはずしたから、2パットでいいです』って。それでやっと、『俺、トップなんだ』ってわかった。
 俺、最後の18番、『パーでいい』って知ってたらティショットでドライバー、持ってないです。自分の順位も知らない状態で、『2オンすればバーディもあるな』という感じで自分のゴルフをしようと思っただけだったんです。でも、周りはなんだか騒ぎ出しているし、もうひとりの自分が、『多分、俺、優勝だぞ』とか思いはじめて、『いや、違う、違うんだ。自分のゴルフをすればいいんだ』と言い聞かせながら、最後はやっていましたね。

 最高です。茨城の人達はほんとみなさん、良い人です。地元開催ということで、たくさんの応援がありましたし、この茨城の地で勝ちたいという気持ちが強かった。… もちろん、勝ちたい気持ちは誰にでもあるでしょうが、僕は誰よりもまして、勝ちたい気持ちがあったから。この優勝は僕の歴史の1ページに残る、大きなものだと思います」  


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