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ANAオープンゴルフトーナメント 2003
“地元選手”の意識より、いまは弟との戦いが気になって・・・

先週のトーナメント、サントリーオープンでの残暑は53歳にはかなり堪え「暑くてい まにも倒れそうだった」というが、会場入りした昨晩は「久しぶりによく眠れた。今 日の朝なんか“二 度寝”してしまって、1時間も寝坊しちゃったんだよ!」と元気いっぱい。
いまは、兵庫県に住んでいるがもともと、ここ北海道(札幌市)生まれだ。試合で 帰ってくるたびに「昔の懐かしい“悪友”たち(笑)からの呼び出しを振り切るのに 苦労する」と笑う。「飲みだすと、止まらないからね(笑)。来た以上は、やっぱり 試合に専念しないと!」。
若いころは地元出身のプレーヤーということで、今大会にはかなり気合を入れて会場 入りしたそうだが、「今は、逆にリラックスできる感じかな」という。「むしろ試合 の結果より、弟と の戦いのほうが気になったりして・・・」。“弟”とは、道内トップアマチュアの高 橋成司(せいじ)さん。今年も、エントリーしている5つ下の弟と「毎年、この大会 で2人してスコアで競り合って“このやろうっ”とかやってんだよ。ほんと、お互い にいつまでも子供みたいでさあ・・・」と苦笑いをうかべた。
「最近は体力が持たなくて、たまに、会場に行くのさえいやになることもあるんだ ・・・」と、打ち明けるが、先月のシニアツアー「ファンケルシニアクラシック」で 3連覇を成し遂げるなど、ツアー通算10勝の実力は健在だ。それに同シニアトーナメ ントでの“3連覇”は、自身のためだけではない、最愛の家族のために勝ち取った栄 冠だった。大会直前、白血病と戦う次男・勝紀君(7歳)とそれを支える妻・由貴子 さん、長男・成輝君に口をそろえて送り出された。「パパ、僕たちのために今年も 勝って!」。
「・・・私自身も、そのときは、今年3連覇が達成できなければ息子の病気は良くな らない、とまで思いつめていました。勝ってこの3連覇を息子への“お守り”にした い、と真剣に考えてのぞんだ試合だったんです・・・」どんなにしんどくとも、家族 のためにゴルフをあきらめるわけにはいかないのだ。最近では、若手の育成にも積極的で“高橋一門”の選手たちが徐々に、上位に顔を見 せるようになってきた。「いやあ、彼らはほんとたくましくって・・・!!僕も若い子 たちのエキスを存分にもらってますからこうしてがんばれるんです。今週もやります よっ!」。その笑顔は、今回のどの出場選手たちよりも若々しく輝いていた。









