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フジサンケイクラシック 2004

マンデートーナメントから挑戦の谷古宇智紀が5位タイ

「1円でもいいからお金を稼いで、しがみついていく」
マンデートーナメントから挑戦の谷古宇智紀が5位タイ

まさに“川奈を知り尽くしている男”が、好スタートを切った。4アンダー5位タイスタートの谷古宇智紀(やこうとものり)。18歳から6年間の研修生時代と、プロ転向後の約2年間を川奈で過ごした。「多分、今回の出場選手の中で、いちばん川奈をまわっているのが僕」と言いきるほど、在籍中はほぼ毎日のようにプレーし、数え切れないラウンド数をこなしてきた。その中で、今大会でのプロキャディの経験もある。

この日初日も、まさに地の利を利用した。

ここ川奈での一番のセオリーは、「絶対にグリーン奥に打ち込まないこと」だ。砲台のグリーンは、奥から寄せるのが難しい。加えて、「フェアウェーキープ」が鉄則。ラフからのショットは、スピンコントロールが難しく、面積の小さいグリーンに球をとめるのは、至難の業だ。

そんな川奈の恐ろしさは、研修生時代にいやというほど味わってきた。通常の業務が終わった午後2時ごろから、一人でフラリとコースに出ていく。とにかく、よいスコアを出したい一心から、アウトコースばかりを何べんも繰り返し回った日もある。ベストスコアは66。その経験をひとまず生かすことができたこの日初日のプレーぶりだった。

これがツアー7試合目だ。

98年に、やはりこのフジサンケイクラシックでデビューを飾ってから昨年までの6年間は、1年に1試合ずつしかトーンナメントに出場できず、うち予選通過はわずか2 回。生涯獲得はまだ80万7400円で、昨年結婚した実華夫人と10ヶ月になる長男・雄貴ちゃんを養うために、普段はレッスン業にいそしんでいる。

「いっそレッスン一本に絞っちゃったほうが家計は楽になるってわかっているんですが・・・」やはり、ツアーへの夢は捨てられない。

「とにかく、どんな手段でもいいから1円でもお金を稼いで、しがみついていく」。執念で、今週4日間上位をキープするのが目標とはなす谷古宇は、この日首位に立った岩本高志と同じ、マンデートーナメント突破組。

79年大会で、同じくマンデートーナメントから勝ち上がって優勝を飾った佐藤昌一の再来を狙いたい。

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