記事
ACNチャンピオンシップゴルフトーナメント 2026
恩人もハーフターンに駆けつけた! ホストプロのゲンちゃんこと時松源蔵の復活にかける思い
33歳になったゲンちゃんこと時松源蔵(ときまつ・げんぞう)が、大事なホスト試合で好発進した。
7バーディと1ボギーは、今季の自己ベストとなる「65」。
しかし、「必死にやるだけやってましたけど、調整もくそもない調子なんで」などと、表情はここ数年にないくらい硬い。
「ここ数年は、本当に下しか見てない状況なんで」。
復活への一縷の支えになっているのは、「どん底に落ちてもまだサポートしていただけるという感謝をいつも以上に忘れずやろう」という、恩人への切実な思いだ。
2012年のプロ転向時は「隆光(りゅうこう)」の登録名を名乗って、4年目の2016年に初優勝を飾った。
17、18年と順調に通算3勝を重ねて、コロナ禍の20ー21年に最年少で選手会長に就任。
男子ゴルフをけん引した。
本大会主催のACNグループの藤岡・代表取締役会長兼社長に出会ったのもちょうどこのころ。
ゴルフメディアで男子ゴルフの人気回復をテーマに、対談したのをきっかけに、応援して頂けるようになった。
2024年から、正式に契約選手として迎えていただいたが、7季続けた賞金シードを失ったのはその年末。
そこから、まだ出場権すら確保できない状態にいる。
「ここからどうやって抜け出せるか。毎日、毎日考えながらやっているけどなかなかうまくいかなくて」。
苦悩の横で、すいすいと追い越していく若い選手たち。
「余計に不安がね…」。
いっそ、どこかが痛いや、体調不良を訴えられたらまだ楽かもしれない。
「ケガしたいんですけどね」と、冗談交じりにポツリと、「歳とってきて、多少疲れが残ったりとかありますけど、ケガはないんで。言い訳するところがない。まあ…メンタルが多少ケガしてるのかな」と、苦笑いも寂しそうだ。
「藤岡代表には、ほんと冗談ですけど、そろそろ…みたいに言われていますので」。
本大会前も、主催者さんからはっぱをかける意味でのあえての“三行半(みくだりはん)”を聞いた直後の初日の好発進だ。
「きょうはスタートが早かった(インの7:50)ので、“げんちゃんは観に行かへんで”と言われていたんですけど、前半、スコアが良かったので。後半の1番ホールでいていただいて。どうしたんや、みたいなお顔で見ていただけたので良かったかな…」。
まずは初日のプチご恩返しは成功。
「引き続き、サポートしていただくには爪痕を残すしかない」と、気が引き締まる。
みんなが親しみを込めて呼ぶ「ゲンちゃん」のあだ名の由来の本名の「源蔵」に登録名を戻して2年目。
若手との乖離に焦る一方、13年ぶりの復活優勝から年間2勝を飾った37歳の藤本佳則(ふじもと・よしのり)や、先月の「ドラッグストア・コスモスカップ」で、自身2度目の年間2勝を飾った45歳の岩田寛(いわた・ひろし)や、9月の「ANAオープン」で、プロ21年目の初優勝を飾った内藤寛太郎(ないとう・ひろたろう)や、時松も戦ったチャレンジトーナメントのACNツアーの「ジャパンクリエイトチャレンジ in 福岡雷山」で、19年ぶりの復活優勝を飾った43歳の松村道央(まつむら・みちお)ら、ベテラン勢の活躍は、逆に励みに。
「置いて行かれてる感が凄いんですけど、そこをどうやって追いつこうかだけ考えてやっている。収穫のある1週間にしたい」。
33歳のひたむきな背中を恩人も見ている。













