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日本プロゴルフ選手権大会 センコーグループカップ 2026

片山晋呉が病床から復活「哀愁が漂っていた」しおれたふりしてV争い

先週に続いて今週もV争いしている。

本大会は、2003年と2008年以来となる3勝目(ツアー通算は32勝目)で、史上最年長のV記録もかかる。
プロ日本一を決める5年シードのタイトル戦で、片山晋呉(かたやま・しんご)は「こうしてゴルフ場に来て、球を打っているだけで幸せ」と言いながら、2週連続のV争いに加わった。

きょうまでの予選2ラウンドは香妻と、新・飛ばし屋の出利葉(いでりは)と同組。
「なにせ、2人に65ヤードも置いてかれる。違うゴルフ場なんでね」と、悲鳴で声が裏返った。

「凄いね、素敵。もう、ちょっと、2人のドライバーは見ないようにしていました。僕もリキむんで」と、見ないふりをしながら、スタートして11番でワンピンにつけると、12番でOKバーディ。

15番ではティショットが左に飛び、2打目は深いラフになり、ピン左からのバーディトライは長くなったが、今週から持つ長尺パターで7メートル超を器用に沈め、前半最後の18番パー5は、2打目、3打目ともフェアウェイ真ん中を歩いて、手前1メートルに作ったチャンスも逃さなかった。

「僕はもともと飛ぶほうではないからね。哀愁がただよっていた」と、しおれたふりをしながら「フェアウェイに置ければ僕もなんとか」。
若い2人の背後で長いクラブを操り鉄壁のマネジメント。
2日通算7アンダーをマークし、優勝もにらめる好位置に持って来た。



昨年6月から「2か月間、死ぬか生きるかでベットにいました」。
細菌が椎間板に感染する化膿性椎間板炎で入院していた。

「トイレも、コンビニにも行けない時間もあった。それができる幸せを、いま一番噛み締めています」。

先週のシニアツアー「リョーマゴルフ 日高村オープン」では、日大同期のライバル、宮本勝昌(みやもと・かつまさ)と競って1差の2位の成績を残しており、復活の気配をぷんぷんと漂わせる。

ハーフターンで保温容器から、熱々のおにぎりを手渡したマネージャーの黒澤ヒカルさんは、元は片山のおっかけファンで、4年前からつきっきり。

昨年の病床も、献身的に介護してくれたと感謝し、「2人でスイングを作ったり、パターの話をしたり、良い相談相手がいて心強い」。

アドレス時に、従来よりボールを20センチも右に置き、右の胸の前でグリップする今週のパットスタイルも、黒澤さんの“指導”だそうで、「チャッピー(ChatGPT=チャットジーピーティー、対話型生成AI)に聞いたらしい。今の若い子は、何でも検索するからね。これらしい、って持ってきたからじゃあやろうか、と。僕だけじゃ解決できなかったから」。

歳の離れた若者の助言も柔軟に取り入れリーダーボードにのし上がり、「明日も楽しく歩ければ」。
むやみに欲は出さなくとも、53歳と113日のツアー通算32勝目、また、自身18年ぶりの大会3勝目なら、2018年の本大会で、谷口徹(たにぐち・とおる)が50歳92日で達成した、日本タイトルの年長記録を更新できる。

「勝っている人にしかわからない喜びがありますよね?」。
歴代5度の賞金王は、タイトルの重みを誰よりも知る。

⛳片山が今大会で勝てば達成される記録
◆史上4番目の年長V(1985年以降)
<現在の記録>
1位 尾崎将司 55歳241日
2位 尾崎将司 53歳195日
3位 杉原輝雄 53歳178日
4位 杉原輝雄 52歳80日
※片山が勝てば53歳113日での優勝

◆日本タイトルの史上年長V記録
<現在の記録>
・谷口徹(2018年「日本プロ」=50歳92日)

◆50歳を超えてからの日本タイトル制覇は史上2人目
◆50歳以上のツアー優勝は6人目

◆2008年「日本オープン」以来18年ぶりの日本タイトル最大ブランクV(1973年ツアー制度施行後)
<現在の記録>
・山本善隆(1980年日本プロ~1993年日本プロゴルフマッチプレー)
・手嶋多一(2001年日本オープン~2014年日本プロ)