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ACNチャンピオンシップゴルフトーナメント 2025

@小林匠さんが単独トップ。UAE⇒片山津を経て地元関西へ。中3時間睡眠の連戦もプロ顔負け

大阪学院大学3年の@小林匠(こばやし・たくみ)さんが、初日の第1組から出て9バーディ2ボギーの「64」をマーク。
7アンダーで上るとそのまま首位に居座った。




2アンダーで回ってきた前半のアウトコースは「全然、意識していなくて。いまスコアはなんぼやろう?」。
約1時間のインターバルで指折りチェック。

「3つもバーディ獲っていたんや」と、弾みをつけると後半インは6個のバーディ(ボギーは1個)。

「ティショットがよかったので、ずっとフェアウェイから打ってバーディ圏内について、プラスパットもよかった」。
10メートルを沈めた13番も含めて、12番から4連続バーディが来た。

最後18番で、右のラフから打ったアプローチは、大学の1年後輩で、今週キャディの栗原さんとの打ち合わせも完璧。
「スピンも計算してほぼ狙い通りに打てました」と、2メートルのチャンスにつけると登りのフックラインも逃さずバーディで締めくくり、7アンダーで上るとその後はプロも、誰も小林さんに並べなかった。

先々週は、アラブ首長国連邦で行われたアジアアマでマスターズの出場権を争い(結果21位)帰国して、すぐ中1日も置かずに大学のリーグ戦へ。
大会前日の27日に成田に着いたのは、夜7時を過ぎていた。バスで羽田に移動して、そこから石川県の小松に飛び、会場の片山津に向かった。

宿に到着したのは夜中だったが、そこから律儀に着替えを洗濯。
「“アラブ”のランドリーがめちゃ高かったので…笑」。
やっと寝られたのは夜中の2時を回っていたが、朝5時にはもうチームに合流。
3時間も寝ずに臨み、4日間競技で大学の2大会ぶり2度目の優勝に貢献すると、余韻も覚めないまま今週は、地元関西で自身7度目のプロの舞台へ。

「ずっと試合をしているので、試合に向けた意気込みや試合の勘がうまいことはまってます」。
プロ顔負けの過密スケジュールも笑顔でこなす。



お父さんと一緒に初めて行った練習場で空振り。「それが悔しくて」と、10歳からゴルフを始めた。
高校1年の冬に「練習しすぎた」と、腰椎分離症(疲労骨折)を発症。骨がつくまで丸1年かかったが「なんでもポジティブに考えるほう」と、療養期間を下半身強化の筋トレに当て、今ではプロにもそん色なく飛ばせる。

大学1年の23年に日本学生制覇。アマ選抜のナショナルチームに在籍したことも、成長の大きな糧になっている。

今年8月の「リシャール・ミル チャリティトーナメント」で小林さんがキャディをつとめた大学先輩の下家秀琉(しもけ・すぐる)が10月のバンテリン東海クラシックで初Vを達成した。
「僕が1年のときに下家さんが4年で、今も一緒に練習や食事をして、いろいろ教えてもらう。まさか、そんな身近な人がツアーで優勝するとは…」。
プロの舞台がぐっと身近に。

学年はかぶっていないが今季米二部ツアーから、PGAツアーに昇格した平田憲聖(ひらた・けんせい)も尊敬する先輩だ。
「僕はまだ、アマチュアですけど食らいついていきたい。出るからには優勝を狙っていきたい」。
一昨年の杉浦悠太(すぎうら・ゆうた)に続く史上8人目(9例目=蟬川が2回)のアマVだけを見ている。


※当初、日付に誤りがございました。お詫びして修正いたします。