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日本オープンゴルフ選手権 2025
織田信亮の野望
徳川家の聖地で、あの戦国武将と末字しか違わない25歳が、混戦のスコアボードに名前を連ねた。
プロ7年目の織田信亮(おだ・のぶあき)が雨の日光で3バーディ、2ボギーの1アンダー「69」をマーク。
サスペンデッドのため暫定ではあるものの3位タイの好位置で初日を終えることが出来た。
「ラフが長くて、グリーンが硬くて速くてよくアンダーパーで回れたな、というのが自分の感想」と、濡れたレインウェアのまま絶句していた。
「一番大変だった」という難関の9番では、右の林から出して150ヤードの第3打でやっとグリーンに乗せたパーパットを6メートルもオーバー。でも、「それを沈めてナイスボギー」と、安堵した。
後半は難しい10、11、12番をパーで耐え、アプローチで2メートルに寄せた13番のパー5と、8メートルを沈めた最後18番とで、2バーディとボギーなし。
昨季QTセカンドで敗退し、今季レギュラーツアーは大会の予選会を経た本大会でまだ2戦目だが、知人の勧めで台湾のPGAツアーを転戦し、9試合出てトップ10が1回。
「台湾での経験が生きている」との自負はある。
祖父が婿入りした織田家には家系図が残っておらず、血縁があるかは不明だが、男子の名前に「信」の一字を入れるのが伝統で、お父さんの信久さんが尊敬する諸葛“亮”孔明の一字を投入。
名前通りに武勇を貫き、地元福井県の福井工業大付属中、高校から同大学の工学部原子力技術応用科に進学した。
ゴルフは2年在学時にプロ転向し、4年時の2021年ファイナルQT会場では原子力がテーマの卒論を作成しながら、翌年の出場権利を獲得した頑張り屋さんだ。
家康公が眠る日光東照宮にはまだお参りできていないが、「今週、ぜひ行こうと思います」と、初日の好発進に、がぜんその気だが「義を重んじる性格が好き」と、尊敬する武将に真田幸村を挙げる。
「勝ちたい試合のひとつ」として数える本大会は今年、マスターズの出場権もついてくる。
「喉から手が出るほど出たい試合。優勝して出場したい」。
武将に何かとゆかりの25歳が日光で野望を抱いている。
※当初、織田選手のおとうさんのお名前を間違えておりました。ご家族と関係者のみなさまにお詫びして修正いたします。申し訳ございませんでした。












