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日本オープンゴルフ選手権 2025
阿久津未来也「全部のホールに思い出」日光を知り尽くした男の挑戦
栃木県の宇都宮市出身。阿久津未来也(あくつ・みきや)は今週、まいにち実家でご飯を食べるが、実家近くのホテルに泊まる。
試合モードを維持するためだ。
開催が、ここ日光カンツリー倶楽部に決定したときから本大会に賭けていた。
「栃木国体の予選が絶対ここ。あと強化練習もここでした。全部のホールに思い出があります」。
「…知りすぎて、難しいよね」と、笑いながら隣でツッコミを入れたのは今週の大一番を支えてくれる相棒。
プロキャディの齋藤優希氏は、丸山茂樹をはじめ、賞金女王の申ジエさんの専属をつとめるなど通算29勝の請負人で、さくら市出身。
阿久津を小6から知る旧知の恩人でもある。

一昨年末に10数年ぶりに再会し、昨年の本大会を含む4試合でタッグを組んだ際に「来年は日光なので、絶対一緒にやりましょう」と約束してあった。
2人ともに地元開催の本大会を、最大のターゲットに取り組む中で、ビッグニュースも飛び込んだ。
本大会の勝者に「マスターズ」の切符が付いた。
「かなり箔が付いた試合になった。それが、ここである。次いつ日本オープンが日光であるかわからないし、最高のタイミングかな」。
気持ちは高まるばかりだ。
現地ウェイティングの3番目で出場機会をうかがった先週の日本開催「ベイカレントクラシック」は惜しくも出番が来なかったが、「今週のための練習と思いながら」と、PGAツアー選手を横目に、調整を重ねてきた。
5月に「ミズノオープン」でツアー初優勝し、その資格で出場権を獲得した「全英オープン」でメジャー舞台も経験済みだ。
7月には、初Vの祝勝会を地元で開催。
宴会場で、日光開催の「日本オープン」の話題になり「10月も観に行きたい」と、言ってくれる方がたくさんおられたそうだ。
「今週はいろんな意味で気合が入っていますが、気合が空回りするタイプなので。土・日にしっかり残らなければいけない」と、肝に銘じる。
阿久津によると、アウトコース最後の9番からインに入ってすぐ10、11、12番が「日光のアーメンコーナー」。
初日は、インの10番スタートだ。
「朝から3連続ボギーもぜんぜんある。まずは、初日の前半を無事に切り抜けられるように」。
鬼門の先に、夢の舞台が見えてくる。









