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石川遼 everyone PROJECT Challenge 2025
首位と3打差の3位につけた三者三様の思いとは?
「前半と後半が反対だったらめっちゃ喜んでいるんですけど…。やっぱり前半だけ伸ばしたのに、後半ちょっとエネルギーが切れちゃったのが課題かなって感じです」。ホールアウト後、悔しそうな表情で山脇健斗が振り返った。
前半を1イーグル5バーディの28で回り、後半を1ボギーの37でフィニッシュ。気持ちとしては65で回ったことよりも、スコアを落とした印象しか残らないのだろう。結局、首位と3打差の3位タイで最終日を迎えることになった。
それでも今大会とは相性がよく、一昨年は5位タイ、昨年は2位タイとなっている。
「あとは1位かなって感じです。コース的にも大好きで、すごくイメージが出ますし、月曜日のプロアマも火曜日の練習ラウンドでも5アンダーでした。唯一、優勝できると思わせてくれるコースです」と、力強く語る。当然、コースの攻め方も熟知しているだけに、最終日は取れるだけバーディを取り、優勝を狙うだけだ。
地元・栃木県出身の百目鬼光紀は、作新学院高3年のときに今大会にボランティアとして参加している。「アマチュアの選考会があり、1人だけ本戦に出場できるんですが、それ以外の人はボランティアとしての参加になったんです」。惜しくも百目鬼は1位になることができず、悔しい思いにあふれたという。しかも、本戦出場の切符をつかんだのが、作新学院高ゴルフ部の同級生だっただけに、悔しさもなおさらだ。
ある意味、因縁の大会ともいえるが、最終日を3位タイで迎えることについては次のように語る。「今日と同じように頭を使ったマネジメントをするだけです。攻めるところは攻めて、守るところは守る。あとはパットが入るかどうかでしょう」。どこかひょうひょうとした百目鬼だが、心の中では優勝に対する思いも強い。まずは、初日から目標にしていた通算15アンダーにまでスコアを伸ばすことに集中する。
イーブンパーの50位タイから通算9アンダーの3位タイに浮上した木村太一。大会レコードタイとなる62をマークしたが、爆発的スコアを出した要因の一つが内藤雄士コーチの訪問だ。「今日のスタート前に急きょ来てくださって、スタート前の練習グリーンでパッティングを見てくださったんです。ストロークを改善しましたが、それがよかったと思います」。聞けば、内藤コーチは体調がやや優れなかったにもかかわらず、前半のハーフを観戦してくれたという。すると、6バーディ、ノーボギーの30で回る。「コーチの前でやたら調子よく、いいゴルフをできたのでうれしかったです」と、笑顔を見せた。
首位と3打差は逆転優勝のチャンスだが、当然視界に入っている。「今日みたいなプレーはなかなかできないので、いったん落ち着いて、着々とスコアを伸ばせるように頑張ります」。23年の『エリートグリップチャレンジ』以来のツアー2勝目を目指す。














