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東北魂を忘れない。古川龍之介の原動力

目下ポイントランク1位が2日連続で自己ベストを更新。プロ4年目の古川龍之介(ふるかわ・りゅうのすけ)が、初日の「65」に続いて、2日目に「64」をマークし、河本力(かわもと・りき)と並ぶ通算15アンダーの首位で決勝進出を果たした。




この日は10番からスタートし、チップインバーディで滑り出すと、後半の8番まで“ノンストップ”。

「昨日初日の3ボギーは暑さで集中力が切れてしまったんですけど、きょうはそれをなくそうと。最後まで行けました」とこの日のボギーは、まとわりついたアブに惑わされてティショットを外した最後9番のパー3のみ。

「きょうはそのワンミスで済んだので良かった」と安堵した。

「性格的に、68くらいで満足しちゃうタイプ」と、いつもはブレーキをかけがちだが、前日初日の「65」に続いてこの日は「64」と2日連続の自己ベストを更新したのは、ベテランキャディのなせるわざ。
「岡本さんがまだいけるっしょと。常に声をかけてくれて。ビビると怒られるし、それがいい。ずっとおしりをたたいてもらうほうが僕はいい」と、感謝。

OKバーディの前半18番から数えて4連続バーディは、後半の2番、3番で連続のチップイン。

めくるめくバーディラッシュで、自身初の“トップ通過”を成功させた。

昨季賞金王の中島や蟬川、平田らと同学年で、今季初V者の阿久津、清水らの日大後輩。
「続きたい」。
飛躍を誓う今季、オフに広島カープの松山竜平選手の筋トレ合宿に参加。
「食べる量も、上げる重量も僕の倍か、それ以上」と、仰天。
向上心に火が付いた。

今年は主戦場のACNツアー「LANDIC CHALLENGE 12」で初優勝を飾るなど、現在同ツアーのポイントランキング1位につけるが、「今年はレギュラーで賞金シードを獲るのが目標」と、さらに上を見据えている。

プロ転向後に冬場の練習環境を求めて現在は福岡県を拠点にするが、福島県の会津若松市出身。

2011年の東日本大震災時は直接の被害は受けなかったが、「そういう気持ちは常にあります」と、新天地がどれほど居心地よくても「とんこつラーメンよりやっぱり喜多方」と、秘めた東北魂は忘れない

昨年の能登半島地震や豪雨災害の被災地支援を目的に発足した本大会。
この日は、大会カラーの黒×白でまとめたウェアが175センチの痩身にすっきりと映えた。




「ここ能登でも地震や災害で、大変な思いをされている方がたくさんおられる。うまく言葉にはできないですが、自分も常にそういう思いをこめてプレーしたいな、と思っています」。
相手を思いやる気持ちも原動力だ。