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賞金王が本格始動!片山晋呉がトレーニングを開始した

「きもちぃ〜っ!!たのしい〜っ!!」。
茨城県つくば市にある筑波大学。額に光る汗もそのままで、無邪気にグラウンドを駆け回る。
同大学の白木仁・人間総合科学研究科スポーツ医学助教授が、目を細めた。
「あいつの笑顔は、出会ったころから変わらない。いまでも、あのころのままですね」。
父・太平さんに連れられて片山が、初めて白木氏のもとにやってきたのは水城高校3年のとき。体重は60キロにも満たず、頼りない体つきをしていた少年そのものだった。
50回の腹筋にもすぐに根を上げて、「お前はまだ、トレーニングさえできる段階じゃない。とにかく、そこらへんを走って来い」と尻を叩いたものだ。
あれから十数年のときを経てたくましく成長をとげ、1セット100回の腹筋も、どんなにハードなトレーニングも平然と、むしろ、楽しみながら楽々こなすようになったが「ひとつのことに魂をこめて打ち込む純真さは、いまでも変わっていない」と、白木氏は言う。
プロ転向を果たした95年から、「世界で通用する体作り」を合言葉に始まった白木氏との二人三脚。
オフの自主トレーニングは毎年、ここ筑波大学のグラウンドから始まるが、例年ならばそれも、あと3週間から1ヶ月くらい先のはずだった。
だが今年は、この日1月12日から本格始動。
それも、世界の舞台を視野に入れているからこそだ。
現在、ワールドランキング56位。2月のWGCアクセンチュアマッチプレーや、4月のマスターズトーナメント出場への可能性も出てきた。
「…今年はもっともっと、高いレベルを目指していくよ!」。
“少年”の野望は、とどまるところを知らない。
※片山晋呉のフィジカルコーチ白木仁氏プロフィール
茨城県の筑波大学を卒業後、大学院で解剖学を学びながら、柔道整復師の資格を取得。その豊富な知識から、トップアスリートを多く育て上げる。
プロ野球の工藤公康選手のフィジカルコーチ、長野五輪では、スピードスケートの日本代表ヘッドトレーナー、シドニー五輪ではシンクロナイズドスイミングの日本代表トレーナーをつとめ、団体・デュエットのメダル獲得に大きく貢献した。
1957年生まれ、北海道出身。現在、筑波大学人間総合科学研究科スポーツ医学専攻、助教授。

バランスボールを使ったトレーニングに励む片山を、白木氏(=右)がサポート 














