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飛び込み初出場の米澤蓮「一生の思い出」18番で初日唯一のバーディ獲得

難易度は、507ヤードもある7番のパー4に次ぐ2番目。
ギャラリーが埋め尽くしたすり鉢状の急勾配のグリーンに向かってティショットを打つ最後18番は、屈指の難しさだ。

恐怖のパー3で初日、唯一のバーディを奪ったのは初出場の米澤蓮(よねざわ・れん)



「練習ラウンドではパーも獲れなかった。ボギーか、もっとボギーか。テレビで見て、エグいと思っていたけど、練習ラウンドして、もっとえぐさが増した気がして」。


でもいざ本番で、西日に目を細めて打った4番アイアンのティショットは「確かに乗った」というのは分かった。

着弾後に傾斜をトロトロ伝ってピンに寄ったのまでは見えなかったが、「グリーンに行ったら、3メートルくらい。上りのラインにあったので、しっかり打った」と、最後のバーディ締めは、「一生の思い出になりました」と、言うくらいの嬉しさ。


「課題のパットが、自分の思うとおりに打てるようになってきたのかな」。

通算3アンダーの7位タイで滑り出し、プロ転向直後に発症したパットのイップスにも、陽が差す思いだ。


賞金ランク43位で迎えた先週の「カシオワールドオープン」で2位タイにつけ、賞金ランク22位に急浮上。
土壇場で、今週の30戦士に飛び込んだ。


JGTOの広報理事で、ゴルフ解説者の佐藤信人の取材によると、米澤が小学時代にゴルフを始めたきっかけは、ある日家族と買い物に行ったインテリア用品の「ニトリ」。

開店時間を間違え、1時間の時間つぶしに隣にあったゴルフ練習場に行ったのが最初の出会い。


すぐ上達し、ジュニア時代は負け知らず。

盛岡中央高校時代は「東北高校選手権」で3連覇し、東北福祉大の2018年からは、アマ選抜のナショナルチームでも活躍した。

プロ転向から3年目の今年、9月の「パナソニックオープン」でも2位など岩手県勢として、初のシード入りも達成。

あとは初Vを待つばかりのところまで来ている。


オフを利用して、地元でレッスン会に積極的に参加するなどジュニア育成にも熱心で、JGTOスタッフに初心者ゴルフ用具のスナッグゴルフセットの購入法を相談したほど。


昨年から「岩手めんこいテレビ」のサポートを受けるなど、地元では知る人ぞ知る有名人は「語るより、結果を出すことが、何よりのロールモデルになれる」。

今年最後の初優勝者に飛び込むことが、何より雄弁だ。