記事

石川遼 everyone PROJECT Challenge 2022

比嘉拓也がプレーオフを制して悲願の初V!  

栃木県のロイヤルメドウゴルフ倶楽部を舞台に行われた『石川遼everyone PROJECT Challenge 2022』の大会最終日。予報通り朝から降り始めた雨は徐々に強くなり、加えて12月並みに低くなった気温が選手たちを苦しめた。

 

冷たい雨に打たれながらも集中力を切らさなかったのは比嘉拓也。通算8アンダーで並んだアマチュアの中野麟太朗さん(早稲田大学1年)とのプレーオフを制した瞬間、「やっと勝てた!」と両手を広げた。

「やっとやっとやっと勝てました。今日は本当に長かったです。完全に我慢比べになるなと思いながらやっていました。改めてスコアカードを見たら、後半は全部パーオンしていたので、危なげないパーパットを常に打てていたのが大きかったと思います」。

 

ツアープレーヤー転向は2011年だが、初めてファイナルQTに進めたのが2019年のこと。1年を通して試合に出られるようになってからはまだ2シーズン目だが、今年は思うようなゴルフができずに苦しんでいただけに、終盤にきての優勝は、単にプロ初優勝ということ以上に大きな意味を持つ。

 

「まずは沖縄の家族に伝えたいと思います。本音を言うと、もっと天気が晴れていたら感動したと思うんですが、あまりに寒くて感動が薄れちゃった感じで。(笑)でも、これでQTに行かなくてもよくなったので嬉しいですね」。

 

トップを走っていた岩井亮磨が10アンダーに乗せたことを途中知ったときには、少し追いつけないかもと考えたが、それでもこのコースはあがりホールが難しいから何が起こるかわからないと自分に言い聞かせて、ひたすら我慢のゴルフを続けた。

プレーオフは同組でプレーした@中野麟太朗さんだったが、不思議と緊張はなく、落ち着いてプレーできたと言う。

「プレーオフは向こうが先に打ったと言うのもありますが、ティショットから落ち着いていました。今年はアマチュアが活躍しているので、プロとしての意地を見せないとと言う思いもありました。周りからも『頼むぞ』って言われて送り出されました」。

 

学生時代は中部アマや中部学生を制すなど、ポテンシャルの高さは誰もが認めるところだったが、それがプロに入ってからは思うようなゴルフができずにいた。この1勝が比嘉自身の起爆剤になることだろう。