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石川遼 everyone PROJECT Challenge 2022

@中野麟太朗さんが粘りに粘って優勝争いに踏みとどまる

首位タイでスタートした@中野麟太朗さんだったが無意識に体は緊張していた。

スタートホール(10番)で会心のティショットを打ち、残り30ヤードまで運びながら、そこからグリーンに乗らないミス。

「見えない緊張があったと思います。スタートして3ホールくらいしてから胸に手を当てたら物凄く鼓動が速いのに驚きました。そこでこれは緊張しているなと思いました」。

この日は3バーディ、3ボギーの72でスコアを伸ばすことはできなかったが、天候を含めて結果的にはよく耐えたラウンドとなった。

中でも大きかったのは14番ホールのバーディ。13番でこの日最初に動いたスコアがボギーだったが、すぐにバウンスバックできたことで、緊張も和らぎ落ちつきを取り戻すことができた。

後半も1番から5番で粘りながらパーを重ねた。上がり4ホールはバーディ、ボギー、ボギー、バーディと派手な終わり方になったが、気合いでスコアを落とさずに優勝戦線に踏みとどまった。

 

今年早稲田大学に入学した1年生。もちろんプロの舞台での優勝争いは初めてだが、アマチュア優勝ということも頭の片隅にはある。ただ、今日はそれ時が邪念となり悪い意味での自分らしいゴルフをしてしまったと反省する。

「こういうピリピリとした緊張感の中で、しかもプロの舞台で経験できるチャンスは次にいつあるかわからないので楽しみたいと思います」。

 

中野さんは大学の部活動とは別に1年半ほど前から坂詰和久コーチから指導を受けている。坂詰コーチは今年全米女子アマを制した馬場咲希さんのコーチでもあり、単なるスイングコーチという枠にとらわれないトータル的なサポートを行うのが特徴の一つ。中野さんもこの1年半で体の使い方やゴルフの考え方など様々な部分で根幹から変わったという。

明日はトップを追いかける立場になるが、逆に楽に自分らしいゴルフができる。成長著しい若い力が明日の最終日にさらに覚醒するかもしれない。