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追悼・さよなら、チラ・ハンさん

ミャンマー出身のプロゴルファーで、アジアンツアーの会長をつとめたチラ・ハン(Kyi-Hla HAN)さんが、癌治療の合併症のため、2月19日に死去した。

アジアンツアーが発表した。

61歳だった。

 

チラ・ハンさんは、1961年2月13日にミャンマーのヤンゴンで生まれ、1980年にプロ転向した。

 

1994年の「シンガポールオープン」をはじめ1999年の「ボルボチャイナオープン」など通算10勝。99年には賞金王にも輝いた。

アジアンツアーで活躍しながら1993年と95年、98年には日本ツアーでもプレー。

 

日本での優勝こそなかったが、誠実で穏やかな人柄と、柔和な笑顔で誰にでも慕われた。

 

2004年に競技を引退したあと、2006年からアジアンツアーの会長に就任。その後、10年にわたり、アジアのプロゴルフ発展に貢献し、日本ツアーとの共催試合でも奮闘した。

 

ホーム開催時には、重責にありながら日本選手たちをいつもユーモアたっぷりに歓待し、会場でも気さくにもてなす姿が印象的だった。

 

ゴルフと共に、音楽やアウトドアをこよなく愛し、普段から面倒見も良く、アドバイスを求める人の話しをよく聞き、誰でも気軽に自宅に招いたという。

 

昨年、60歳の誕生日前夜にはインタビューに答えて「10歳でプロゴルファーを目指し、世界中を旅し、新しい人々と出会い、たくさんの友達を作り、たくさんのトーナメントやゴルフコースをプレーしてきました。自分が愛したスポーツを追求することができてとても幸せでした」などと、語っていたという。

 

今年1月の「SMBCシンガポールオープン」では、会場の「セントーサゴルフクラブ」にも姿を見せていたというチラ・ハンさん。

 

それだけに、関係者の動揺と悲しみは大きく、現アジアンツアーCEOのチョー・ミン・タン氏は「喪失感を表現する言葉が見当たらない」と、在りし日を偲ぶとともに、「私たちは偉大なプレーヤーであり人格者、そして最高のリーダーを失いました。私たちは永遠に彼を忘れません」と、哀悼の意を示した。

 

またアジアンツアーでは、チラ・ハンさんの功績をたたえて、アジアのジュニア育成とゴルフの発展を目指す「チラ・ハン フューチャーチャンピオンアワード」を設立すると発表している。


今までありがとう! そして安らかに……