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賞金王がやって来た! 2007冬季奈良県ジュニアゴルフスクール

賞金王の登場を、今か今かと待ちわびていた子供たち。その姿を確認するなり、大歓声が沸き起こる。「賞金王、おめでとうございますっ!」。いっせいに、声を張り上げる。
そんな無邪気な祝福に、谷口も自然と笑顔がこぼれ出た。
「ありがとう!!」と、大きく手を振り返す。
1年ぶりの再会だ。

特別講師として谷口が、奈良県ゴルフ協会と同・高等学校ゴルフ連盟主催の「冬季ジュニアゴルフスクール」に初めて招かれたのは昨年末。
そのとき参加してくれた子供たちが、激励の手紙を送ってくれたのは今年7月。
「ウッドワンオープン広島」と「長嶋茂雄 INVITATIONAL セガサミーカップ」で2週連続優勝を果たしたときだ。

それを励みに10月の日本オープンで今季3勝目をあげ、ついには5年ぶり2度目の栄冠をもぎ取った。
「今年の活躍は、本当に子供たちのおかげなんです」。
そう語る谷口にとって、地元・奈良県天理市にあるナパラゴルフクラブ一本松コースで行われるこのゴルフスクールは、もはや年末の恒例行事となりつつある。

当日の12月26日(水)は、会場に着く前から楽しみで仕方なかった。
「去年、参加してくれた子たちが、どれだけ上手になっているか・・・」。
ツアーでも子煩悩で知られるだけに、わが子と、子供たちの成長を重ね合わせて胸が踊った。

9時からの開講式の後、まずは講習会が開かれた。
初めてクラブを握ったときから、賞金王に輝くまでの自らの道のりを交えつつ、子供たちにはまず健康な体を作って欲しいということ。

また、ぜひ競技にも参加してその緊張感や競う合う楽しさを味わって欲しいということ。
そして、そこから広がる友達の輪を大切にして欲しいということ・・・。
心をこめて語りかけると、地元・奈良県が生んだスーパースターの話に子供たちも興味津々。
技術的なことやクラブセッティング、試合前の体調管理・・・。
真剣なまなざしをして、さまざまな質問をぶつけてくるのが嬉しくて、思わず熱弁をふるっていた。

そのあとは、いよいよコースに出て実践練習。
「賞金王の心技体」を実際に肌で感じてもらうためパッティングやアプローチ、またその練習法をあますところなく伝授した。

カレーライスの昼食をともにしたあと、最後にサイン入りキャップとボールマーカーを手渡して、参加47人とひとりひとり握手を交わす谷口に、子供たちから口々とエールが飛ぶ。

「来年も、賞金王になって帰ってきてください!」。
元気な呼びかけに、笑顔で大きくうなずいた。

※5年ぶり2度目の賞金王は「子供たちが応援してくれたおかげ」と感謝する谷口は、今年も12月の女子VSシニアVS男子の対抗戦「Hitachi 3Tours Championship 2007」で得た賞金の一部を、地元奈良県の福祉施設に寄付すると決めている。
少しでも多く寄付したいとの一心で、今年はキャプテンとしてチームを引っ張り、男子のJGTOチームを2年ぶりの頂点に導いた。