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桑原克典が、母校にスナッグゴルフのコーチングセットを寄贈(2月19日)

桑原がコーチングセットを寄贈した2月18日は、折りしも母校の創立100年を祝う式典の真っ最中だった。その日の講演会と、翌日19日のスナッグゴルフの講習会は、創立記念イベントのひとつに組み込まれて盛大に行われた。

桑原の出身地でもある師勝町内の小学校各5校から希望者を募り、講習会に集まった生徒は60人。あまりの人気ぶりに、桑原ひとりではとても手に負えず、鈴木志保美、戸軽明美、寺沢範美の3人の女子プロの助けを借りなければならなかったほどだ。



しかし桑原は、校庭に散らばって熱心に練習器具を振る生徒たちに、何か特別に指導するでもない。 手を後ろに組んで、子供たちの間を歩いて回るだけ。

「・・・もちろん、グリップや振り方など、基本動作は教えてあげないといけない。でもそれが出来たらあとは、ある程度は子供たちの感性に任せたほうがいいと僕は思うんです。たとえば、『あの的に当てるように打ってみなさい』と課題を出したら、子供はまず自分で考えますよ。そして、イメージをつかんでいく。そうやって得た感覚のほうが、僕の言葉よりもはるかに上であることは間違いないから」。

スナッグゴルフは、ゴルフの一番おいしいところを凝縮して、考案されている。 「スナッグを通じて、まずはゴルフが楽しいスポーツなんだということを、理解してもらうのが今回の目標。僕がヘタに言って、そんな気持ちを壊したくない」。 桑原はそう考えたのだ。



だから、クラブを扱いあぐねて困っている子や、具体的にアドバイスを求めてくる子には丁寧に答えるが、それ以外はただ笑顔で見守るだけ。 技術的なことに関しては、あえて余計な口出しはしない。 それが、“桑原先生”のスタイル。

そのかわりデモンストレーションのときは、自身も存分にスナッグゴルフを楽しむ姿勢を示した。 子供たちにかける励ましの言葉や声援も、積極的に。 初めのうちはあまりやる気がなさそうにしていた子も、桑原の声をきっかけに、たちまち生き生きとクラブを振り始めた。


「ほら、ゴルフって楽しいだろ~?」(桑原)
「うん! すっごく楽しい!」(子供たち)
「これからも続けていけば、この先もっともっと楽しいことがあるぞ~!!」(桑原)
「ほんと?」(子供たち)
「ほんとだよ、だから頑張ってな」(桑原)
「は~い!!」(子供たち)


講習会の最後に、プロVS子供たちのドライビングコンテストが開催された。 挑戦者を募ったところ、参加した子全員が、こぞって手を上げた。 鈴木志保美プロの提案で、結局みんなで飛ばし屋NO.1を競い合った。 誰も桑原の飛距離を超えられなかったが、子供たちには目標が出来た。


桑原の母校の名は『師勝小学校』。 「“師”に“勝つ”、と書くんですよ。その名のとおり、今日の“師”である桑原プロを超えて、いつか第二の桑原さんになろうとする子が出てきてくれれば、こんなに嬉しいことはありません」とは、吉田文明・同校校長の言葉である。