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祝・連覇達成。蝶のように舞い、蜂のように刺されました!! 女子ゴルフのみなさんへ(日立3ツアーズ選手権)

2年ぶりの今年も女子にコテンパンにやられたのに、シニアもレギュラーツアーも、プレーを終えた男子はみないそいそと、真っ赤なベンチコートを探して9番グリーンをうろうろ。
シニアは青で、レギュラーは緑。
チームで色分けされたお揃いのベンチコートに、特に女子からのサインをもらいそこねないためだ。
「モネちゃんにはもらったから…あとはさくらちゃんと、エリカちゃんにも!」と、男たちはみな、やすやすと女子に背中を向けた。
大会のパンフレットに印刷された女子チームを紹介する見出しは「強心臓女子 蝶のように舞い、蜂のように刺す」とは言い得て妙だ。
前後半計24ポイントを獲得して連覇を達成した女子のJLPGAは、今年も揃いに揃って美しさに実力を備えていた。
前半戦で、菊池プロと西郷プロはスタートから6連続バーディを記録。シニアも男子もまとめてまさに、蜂のように刺した。
シニア賞金王の篠崎プロは、かつての教え子でもある女王にも刺された。
後半のオルタネートで当たった稲見プロと西郷プロは、篠崎プロにとっては自身の所属先「北谷津ゴルフガーデン」に通ってきた「小学生のころから知ってる子たち」。
ところが、今やすっかり成長した2人を「バケモノ」と、表現。
5連続を含む7バーディにおののき、「ショットがびたびたついて、こっちは相手を思ってせっかくつけてくれたから入れないと、って感情が生まれるんですけど、彼女たちも当然、それはあると思うんですけど、それが入る。ちょっとくらい外せばって言ったら嫌だ、って言ってました」と、まさに強心臓にも脱帽していた。
憎らしいほど圧倒的強さを見せつけられたのに、ベテランの男子も、若い男子もみな揃いも揃ってどこか嬉しそうだった。
みな揃いも揃って強いのに、どこか癒やされる。
小祝さくらさんは前半、それぞれ自分の球を打ち、良い方のスコアを取る競技方式で、間違ってペアの勝みなみさんのボールを打ってしまったそうで、「後半のオルタネートと勘違いしたのかな」などと、スタッフがざわついていた。
「でも、もう3番ホールだしね…」と、ルール違反はもちろんダメなのだが、「さくらちゃんらしいねえ」と、みんなほのぼのしていた。
閉会式で優勝スピーチした勝さん。
はつらつと喜びと感謝で締めくくったあと、いったん引き上げかけて、お仲間とごにょごにょと、打ち合わせのあとまた、マイクの前まで引き返して「メリー・クリスマス&ハッピーニューイヤー。センキュ」と、キメ顔。
お茶目に笑いを誘っていた。
コースで見せるひたむきさとのギャップ。
普段は別々の舞台で戦っているから実際のところ、男子にとっては女子の人気の秘密を具体的には知りにくいが、それを直に垣間見ることができるのも、今大会の素晴らしさのひとつである。
ルーキーシーズンの今季、賞金2位につけた金谷拓実も、小祝さんや、勝さんと同じ1998年生まれ。
出場最年少の20歳、西郷真央さんは最優秀選手賞を獲得した。
「女子は僕の世代とか、それよりも下の選手が活躍している。僕ももっと頑張りたいなと思います」と、初出場を刺激にしていた。
JLPGAのみなさんへ。
連覇達成、おめでとうございます。
来年こそ男子ゴルフは雪辱を果たします。









