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ゴルフ日本シリーズJTカップ 2013

今年、半世紀の歴史を迎えた頂上決戦が開幕

今年50回を迎えた頂上決戦は、いっそう華やかな空気の中で幕を開けた。初日のスタート前は恒例の開会式にはそうそうたる面々が参加して、記念大会に華を添えてくださった。

1963年は第1回のチャンピオン。初日は80を打って、最下位から出ながら2日目から連続のベストスコアで大逆転したという伝説の男。石井朝夫氏は御年90歳でも、いまだ元気にクラブを振る。はつらつとした笑顔で出場選手を出迎えてくださった。

また、連覇を含む大会4勝を誇る青木功。今でも選手たちの良き相談相手だ。
そして、ひときわ輝く特別ゲストはプロ野球は読売巨人軍の終身名誉監督。長嶋茂雄氏は今年、松井秀喜氏と国民栄誉賞を授与されジャパンゴルフツアーでも、選手会長の池田勇太が意見をまとめて輝く黄金製のアイアンを、心ばかりのお祝いにと贈っていた。

感激したミスターはこのツアー最終戦にも駆けつけ、これから戦いに出ていく選手たちを激励してくださった。

ミスターの名を冠したトーナメントは「セガサミーカップ」。毎年、その会場を訪れ、表彰式ではプレゼンターをつとめてくださる長嶋氏だが、「僕なんかは、いつも遠目でしかお見受け出来ずに・・・。握手なんかもなかなか出来ないのに」と、感激しきりは初日、首位タイにつけた藤本佳則。

この日の開会式では石井氏や青木とともに、今年の29戦士とひとりひとり、握手を交わされ「嬉しかった」と、藤本も励みにした。

また、同じく首位で出た近藤共弘にはひとつ、残念なことが。地元愛知県でリトルリーグに在籍していた野球少年はこの日の朝、青木にこんなおねだりをしていた。
「ミスターと青木さんと3人で写真が撮りたいんです」。
「分かった。じゃあ俺が、頃合いにお前を呼んで、真ん中に挟んでやればいいんだろう?」と、二つ返事で引き受けてくれたのは嬉しかったが開会式が終わるとすぐに、青木が石井氏と談笑している隙に、ミスターはクラブハウスに引き上げてしまった。
「残念でした」と肩を落としながらもちゃっかりと、近藤も“ミスター効果”で好発進だ。

ミスターにとっても、このゴルフ日本シリーズは、プロ野球の日本シリーズにも負けず劣らず「昔から、12月の楽しみのひとつでした」という。
数々の伝説の中でも、ミスターにとってはなんといっても以前から親交も深い“AO”の活躍だ。「確か、7回優勝していますね。青木さんも何度も勝っています。歴代の名手が熱闘を繰り広げてきたのも懐かしい思い出」と振り返り、現役選手たちにもエールを送った。
「今年で半世紀を迎えた伝統のある大会に、若い選手たちも加わって大いに盛り上げて欲しい」。

50回目の大会キャッチコピーは「王者たちよ、伝説を超えろ」。
今年は29戦士が、偉大な先人たちが築き上げてきた長い歴史と伝統も、軽々と超える新たな伝説で、記念大会を熱くする。
  • 第1回の覇者と青木。豪華な2ショット
  • ミスターも、29戦士にエールを
  • 選手会長の池田も、ミスターとセガサミーカップ以来の再会に感激

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