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日本プロゴルフ選手権大会 2019

はじめての最終日最終組へ

 最終18番、「OBじゃなくてよかった。」とグリーンが全く見えない崖下から放ったサードショットはギャラリーの歓声に包まれた。距離も測れず目測で打ったボールを「打った感触は良かった。」とダッシュで確認に行くと30㎝のベタピンについていた。

 昨年7月に行われた北陸オープンを優勝して今大会に出場している北村晃一。今季初のツアー出場で自分の順位に「びっくりしてます。」と自分が一番驚いた。好スコアの要因はパター。「外したのは17番くらいですかね。1〜1.5mは全部入れている。」ともう10年使っているというL字パターが大活躍した。出だしからバーディー発進でリズムに乗ると6つのバーディーを奪い2日間で10アンダー。ツアー自身初の首位に立った。

 取り組んでいるスイングも形になってきている。手を使わないように脚のフットワークでスイングするイメージ。しかし「(18番の)セカンドショットはボロが出ましたね。」と調整途中に出てしまったひっかけ球で崖下に落とすもそこからスーパーショットを披露しバーディーであがれば問題はない。
「(スイングの)ドリルは企業秘密です。(笑)」と手の内を教えてはくれないが最終日終わって頂点に立ったらじっくり話してくれるだろう。

 18時には倉本会長の会見で、正式に決勝ラウンドを1日36ホール行うことが発表された。トップは6時スタート、組み換えなしで36ホールが行われる。
 長丁場の戦いとなるが、元甲子園球児の北村は体力には自信あり。2002年に夏の甲子園に出場し、ベスト16まで進んだ時のベンチ入りメンバーだった北村。「アルプススタンドやグラウンドに比べたらゴルフ場は涼しい。」と暑さは大丈夫。
 むしろ心配なのは精神的なスタミナだ。初めてでペース配分も分からないし、おまけに最終日最終組も初めて。「僕が勝つとは全く思ってないので、何とか36ホールずっとおもしろい位置でやりたいな。」父親のような冷静さで自分をコントロールできるか。優勝後のサインの行列が見たい!!

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