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SMBCシンガポールオープン 2020

シンガポールでメダル級の輝き…。金、銀、銅は強かった

金と銅の抱擁。豪華(©JGTOimages)
4年前の金、銀、銅が顔をそろえた五輪イヤー初戦。最終日はメダリストたちの豪華競演。揃って強さを見せつけた。
金対銅のV争いは、銅に軍配が上がった。米のマット・クーチャーが、逃げ切りV。
リオ五輪で金メダルのジャスティン・ローズ(英)が追いかけ、2位に入った。
銀のヘンリク・ステンソン(スウェーデン)はインスタートの”裏街道”を「66」で回り、盛り返して23位につけた。

銅メダリストは自作自演の”クー劇場”を制した。
3差をつけて、最終日を出たクーチャ―は、4番のバーディでさらに4打のリードも7番で、大トラブルに見舞われた。

堅い根が張る木の元から、脱出を試みた2打目を空振り。3打目でフェアウェイに出したが、左に曲げた4打目はカート道を高々と跳ねてロストボールだ。6オン2パットのトリプルボギーを叩いた。

大差は一瞬で消えた。連覇を狙うタイのジャズ・ジェーンワタナノンドに並ばれた。一時、大混戦にまみれた。
「予想していたよりし烈な争いになったが、ゴルフと人生は似ていて、難しい課題にどう立ち向かうかが重要。あそこから立ち直れたことにはとても、満足している」。

対するローズは後半、崩れたジャズと入れ替わりでクーチャ―を猛追。もっとも、ひとつ後ろで回るクーチャ―が7番で「8」を叩いたことは、知らなかったらしい。
知らずに自身も8、9番でボギーを打ち、10番では短いチャンスを外している。
「結果論だがクーチャーのミスを知っていたら、もっと気合が入っていたと思う。あそこで優勝の可能性を無くしてしまった」と、嘆いた。

結局3差2位で、最後は勝者のみごとなバーディ締めを見ることになったが終盤のローズの追い上げは、一見に値した。
14番では、奇跡のような長いバーディパットをねじ込んだ。
16番では7メートル超を沈めて1差に迫った。
「最終的にはあと一歩だったけど、私も10番からまだ4打差と気持ちを切り替えて良いプレーができたし、追いかけるのは楽しかった。何よりクーチャーは優勝にふさわしかったよ」と、負け方もゴールド級。

そして、後半3つのバーディで序盤の窮地を一蹴して、そんな金メダリストもまとめて倒したクーチャ。
ファンが唄う恒例の「クゥ〜〜〜〜」の大合唱をBGMに、長いバーディトライを勝利のパットにして18番グリーンで何度もガッツポーズを握った。
2020初戦をシンガポールで飾って、ますます2大会連続の出場にも意欲的。
大会前の世界ランキング24位は、米国では13番手。数ある国と地域の中でも、1か国最大4人の代表争いはもっともし烈と言えるが「オリンピックは今年大きな目標のひとつ。今大会でポイントも稼げた。この調子で勢いに乗れることを願う。リオより良い色のメダルを勝ち取れるよう頑張りたい」。
すでに銅メダリストの心は7月の東京にあるようだ。

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