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南秋田カントリークラブみちのくチャレンジトーナメント 2017

試練を乗り越え金子敬一が2年ぶりのチャレンジ優勝!!

『南秋田カントリークラブみちのくチャレンジトーナメント』最終日、7アンダー首位タイからスタートした金子敬一が、6バーディ、3ボギーの68で回り、2位の竹内廉に2打差をつけ、2015年に2勝を挙げて以来のチャレンジトーナメント通算3勝目を飾った。

決して、楽な戦いではなかった。1つのボギーから流れが変わり試練が待っていた。
前半、最終組ながら同組の平本穏や櫻井勝之と雰囲気良く回ることが出来、13番ホールまでスコアを5つ伸ばし、一時は2位と5打差をつける圧勝ペースだった。
しかし、14番ホールで痛恨のボギーを叩き、15番、16番もボギー。あっという間に2位と1打差まで追い込まれることになってしまったのだ。金子自身も3連続ボギーにはショックを受けたようだが、その時点でスコアがわからなかったことが幸いした。
「順位がわからなかったんで、あまり深く考えないで出来たのかもしれないです。前半伸ばしていたし、いいところにはいるのかなとか思ったりして。」

ようやく自身の順位を知ったのは、18番ホールPar5のセカンドショット。遠目で18番グリーン奥のスコアボードのトップに自らの名前があり、2位の竹内とは1打差という痺れる展開だった。
「あれを見て初めて緊張しました。」
というフェアウェイからのセカンドショットは、右に曲げ左足下がりのラフ。最大のピンチでありこの日の見せ場でもあった。
「あそこは難しいところでしたけど、開き直る事が出来ました。寄せに行くと言うよりかは、勝つ奴はああいうのが寄るんだと思うようにしました。」
開き直りが、狙い通り51ヤード先のグリーン手前エッジに落ち、転がりピン奥についた。勝利を確信した瞬間だった。最後も下りのパットをきっちり決め、ピンチが一転バーディフィニッシュで自らの優勝に花を添えた。

優勝した金子には7月に開催される『ダンロップ・スリクソン福島オープンゴルフトーナメント』(7/27 〜7/30 グランディ那須白河ゴルフクラブ)の出場権が与えられる。金子にとって思い入れのある大会だ。
「レギュラーツアーで悔しいくらいへこまされて、唯一予選を通れたのが福島でした。それも2015、2016と2年連続です。コースとの相性もいいと思いましたし、今から楽しみですよ。」

また、金子は今回の優勝で賞金180万円を獲得し、今シーズンの獲得賞金を207万5,933円とし、チャレンジトーナメント賞金ランキング7位へ浮上した。再び来年度ツアートーナメントで戦ううえで、嫌でも考えてしまうのが裏シードだろう。年間のチャレンジ賞金ランキング上位者に、来年度前半戦のツアートーナメント出場権が与えられるシードで、7位となった金子にとってもチャンスが舞い降りたと言える。それでも、金子は過去の経験から冷静に事を考えている。

「1勝してようやくスタートラインにたったかなという感じですよ。確かに裏シードのチャンスかもしれませんけど、2年前に2勝した時も3勝したらレギュラーツアーのシードだとか、余計な事を考えて良い事がなかったんです。残りのチャレンジはいい意味で適当にやりたいと思います。」

若手の台頭が目立つ今季のチャレンジトーナメントだが、“無欲のオジサン”金子敬一が今季残りのチャレンジトーナメントの台風の目となる。

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