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スコットランドで綴る友情物語/全英オープン

夢の全英!! 火曜日の練習ラウンドは時松、市原(左から)と回ったが「小平さんが(初出場を)喜んでくれたのが嬉しかった」と川村(右)
総勢10人の日本勢が挑戦する全英オープン。火曜日は時松、市原と共に練習ラウンドに出た川村は、ある感慨にふけっていた。
「嬉しいですよ、初めて一緒にメジャーに出られる。記念すべき初出場になりますね」。
時松は小学生のころから互いに知る。
「ゲンは仲良し同級生」。
夢の舞台でこうして肩を並べて歩いている。
「あのころは僕らよりもっと上手い子たちもいたけどみんな諦めたり、違う仕事についたり。その中で、こうして一緒に来られたのは嬉しい」と時松との初出場は、幼なじみと無邪気に喜び合うという感覚だが、前日の月曜日にコースを回った小平とはまた少し、違った思いがあったという。

「ゲンとはあまり試合で一緒になることはなかったんですけど小平さんとは、プロになる前から世界アマとかアジア大会とか。ガチガチプレッシャーかかるところで、ずっと同部屋。密度の濃い時間を過ごしてきた」。
ナショナルチームのルームメイトは寝食を共にしながら自然に打ち解け、互いの夢を打ち明け合った。
「マスターズに出るのが夢」と話したのは小平だ。
当時からヨーロッパに惹かれていた川村は「全英オープンに出るのが夢」と言った。
小平も、川村の言葉をはっきりと覚えていた。
「マサヒロは『全英なら優勝できる』と言っていた」。
練習ラウンドで、あのころ語り合った夢を改めて持ち寄り「同じ年に、2人ともひとつ夢がかなった」。小平がマスターズの初出場を実現させたのも今年。
思えば日本ツアーで初優勝を飾ったのも、互いに2013年だった。
「縁がある」。はるばるスコットランドで噛みしめた2人の喜びは、ひとしおだった。

若きゴルフトラベラーと称して、人気のゴルフサイトで旅連載を受け持つ川村はここに来る前にもちゃっかりと、プレストウィックとセントアンドリュースで、一足お先にリンクスコースの洗礼を受けてきた。
小平もそのことを知っており「あいつの趣味は旅行。でも旅行より、もうちょい練習に費やしたほうが・・・」と、苦笑いで年下に苦言を呈するのは昨年、川村が深刻なスランプに陥り、小平もはたでやきもきした記憶があるからだ。

辛くもシードを守った昨季の経験にも懲りずに本人は、「普通に来て試合をやって帰るだけではつまんない。全英発祥の地とゴルフ発祥の地。経験できて良かった」と、相変わらずのほほんと言いながらも「小平さんと僕は4歳違い。小平さんの歳まであと4年あると思うとこっからの4年が凄く大事」。
今年、米ツアー初制覇を達成した先輩の背中をしっかりと見据えている。
「マサヒロなら出来ると思う」と小平もうけ合った。
今でも互いに認め合い、高め合う関係ははるか聖地でも変わらない。
  • 肩の痛みを訴えて火曜日の練習ラウンドは控えたが、月曜日に川村と回って小平も「互いに良い成績で終われたらいいと思う」