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藤田寛之がゴルフ伝道師となり、山梨市立三富小学校へ

ジャパンゴルフツアー選手会の代表選手が、スナッグゴルフ用具一式の寄贈を受けた小学校を巡る“ゴルフ伝道の旅”も、いよいよ今年に入って4回目。25日(木)に山梨県にある山梨市立三富(みとみ)小学校に“伝道師”として登場したのは藤田寛之だった。

小学校に向かう道中の車内でこんな事をつぶやいた。
「小学校の時に一度だけ、学校に相撲の力士が来た時があったんですよ。その時の事は今でも覚えているんです。すごく大きかったんだよなぁ・・・。」

初めて見たであろう力士は強烈なインパクトだった。それだけに、少しプレッシャーがかかっていた。
なぜなら、今日訪問する三富小学校の子供たちにとっても、藤田が初めて見るプロゴルファー。
あの時に味わった興奮を与える役が、約30年の時を経て自分に回ってきたのだから。
「大人になっても、少しでも覚えてくれていたら良いですね」。

そんな想いを持って向かった体育館には、小学3年生から6年生までの総勢50名が待ちに待っていた。スナッグゴルフの用具は寄贈されているものの、課外学習の時に一度使用され、その後は用具を触るだけ。
それもそのはず。先生である藤田に教えて貰い、よーいドンでスナッグゴルフを始める予定だったのだ。子供たちは今までずっと我慢していただけに、あふれんばかりの元気良さ。

まず、始めに怪我をしないように準備体操。
それから、用具の持ち方の説明とお手本のショットを見せる。子供たちはプロのショットの迫力に「スゴイ!」と感嘆の声をあげ、身を乗り出し目を輝かせた。

次は、自分たちがプレーする番。めいっぱいの力でクラブを振り、めいっぱいの声で友達に声援を送る。どのグループも互いに教え合い、手と手を取り合って確認する。
少しでも上達したい一心で子供たちは「藤田プロを参考にして、足を広げて打つようにしました。」と胸を張って話す。
藤田も子供たちを見ながら、その昔ゴルフを始めた頃に、ゴルフボールがどこまでも飛んで行く感覚が楽しくて夢中になった自分と照らし合わした。

藤田は6歳の長男と3カ月になったばかりの次男を持つ2児のパパ。子供たちと接するのは御手の物だ。優しい口調と普段と何ら変わりないとっつきやすい笑顔には、子供たちもすぐに心を引き寄せられた。

スナッグゴルフを教えるのは初めてだったものの評価も上々。みんな声を揃えて、「分かりやすくて、やさしい!」と、講習後に受けたテレビインタビューで答えたのも頷ける。

「今日は色んな体験の内の一つ。みんなが楽しくやってくれた事、ゴルフに触れ合う時間をお手伝い出来た事、またそこにいれた事が嬉しかった。」と、藤田も自分の周りに集まってくる子供たちを見ながら嬉しそうに答えた。
今日が楽しくて、一人でもゴルフに興味を持ってくれる子がいたらそれで十分なのだ。

ただ、子供たちの反応は藤田の想像を上回るものだった。
子供たちは「最初はあんまり上手く行かなかったけど、少しずつ慣れて来て楽しく出来ました。将来はゴルフを経験してみたい!」と照れながら話し、「的に当てるのが難しかった。一回、本物のゴルフもやってみたい!」と廣瀬響郁くんも興味津々。

太田充 校長先生も「来年クラブを作ったら、希望する子供で殺到しそうです。」と嬉しい悲鳴を上げる。

藤田が訪問する前に持っていた不安も吹き飛び、子供たちの希望は果てしなく広がっている。

  • ミニゲームで勝ったチームにはご褒美のハイタッチ。「ご褒美になるかなぁ(笑)」と藤田自らポツリ。
  • 絶体絶命の状況からゲームを制し、思わず渾身のガッツポーズ。

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