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日本プロゴルフ選手権大会 日清カップヌードル杯 2016

藤田寛之が“ピンポジ選手権”に感謝

ベテランが、ファンのみなさんに感謝した。17番は8番アイアンを握った163ヤードのパー3で、ピンそば50センチにつけて、3連続バーディを奪って「良いところに切ってもらってありがとうございます!」。

84回目のプロ日本一決定戦は、今年もファンのみなさんの投票で3日目のピン位置を決める“ピンポジ選手権”を実施。今年は、17番ホールで投票を募って、手前から27ヤードに対して、左から7ヤードの左奥に決まったピン位置は、「左の池が気になるし、手前のマウンドも効いてくる。良いショットが良い結果に結び付くポジション。おかげで良いバーディが獲れました」。

この日、8番では235ヤードの2打目を4番のユーティリティで8メートルに乗せてイーグルを奪うなど65で回って「今季、一番良いスコアに自分でもびっくり。自分にも、まだこんなスコアが出せるんですね」とは、歴代の賞金王とは思えないような発言も飛び出した。

前日2日目のホールアウト後は、上がって5時間以上が経過してもまだ、練習場にいた伊澤利光に目を剥いた。
「以前は、伊澤さんが練習している姿を見たことがなかったのに。ゴルフが面白くなっちゃったんですね」と、48歳にして目覚めた一つ上の偉大な先輩が、羨ましかった。

「今の自分は練習したくないのに、しなくちゃいけないからしている」と、今季は苦しい状況が続いている。

「体から来るのか、ゴルフが下手になっているのか・・・」。2ヶ月前に、左手首の腱鞘炎を発症して、「悪いときは、痛みが指の先から左肩まで来る」と、故障を抱えながらも「応援して下さる方を、裏切れない」と、無理に練習場に足を運ぶ毎日だ。

「47歳なのに、若い子と一緒にやらなくちゃいけないのは大変」と悲鳴を上げながら、この日は練習方法に工夫を凝らして、スコアを伸ばしてきた。
地面に映る、自分が素振りをする影を参考に「第三者的に自分のスイングの形やバランスをチェックする。鏡を見るのと一緒のイメージです」と、この日はラウンド中もときおり、影を見ながら素振りを繰り返したそうだが「今日は、午前中はあまり太陽が出てなくて」。
曇り空の下で、なるべく日向を探しながら、スコアを伸ばした。
おかげで、どうにか13位タイまで順位を上げて、「もうしばらく時間はかかりそうですけど、少しずつ」。テーピングの腕をさすりながら話した。

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