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「大津波を忘れない」スナッグゴルフ全国大会特別講演を実施(8月9日)

あれから3年と5ヶ月が経たち、「街並みや道路は復興が進行しているが、尊い命が戻ることはない」。
「災害を止めることは出来ないが、その被害を少なくすることはできる」とは、この日の講師を務めた東北大学災害科学国際研究所の保田真理先生の言葉だ。
保田先生は、東日本大震災で壊れた時計を東北の地図上に並べ、「地震が起こった時間と、津波が到達した時間は、場所によって異なります。では、その異なる時間の中で何ができるのか」と問いかけた。
東日本大震災の大津波を再現したシミュレーションCGは、時計のカウントとともに、早送りで東北の海岸を押し寄せる、その勢いと高さを再現して、子どもたちは息をのんで映像に視線は釘つげとなった。
全国大会を終えたばかり子どもたちは、試合の疲れも見せずに真剣に考え、「災害が起きたらまず何をするか」、「災害が収まり安全が確保できたら次に何が必要か」の2つの課題に対して、「落ち着いて行動する」、「高いところに逃げる」、「助けを待つ」、「机の下に隠れてから携帯電話の懐中電灯をつける」、「家族の安全を確認する」など、活発な意見が発表された。
また保田先生は、「災害は地震や津波だけではありません。土砂崩れ、竜巻、洪水、土石流、大雪など沢山あります。今までで一番大きいとか、過去最大とか、ニュースで耳にしますが、1970年と比較すると最近10年間で約3倍の災害が起こっています。①倒れてこない、②落ちてこない、③閉じ込められない、の3つが皆さんの出来る身近な備えです」と、子どもたちにもわかりやすく「減災」について伝えられた。
そして保田先生は、3つのキーワードの頭文字「BMS」について説明して締めくくった。
By 「自分のことは自分で守る」
My 「自分の大切なものは自分の力で守る」
Self 「自分の命だけではない」
1896年に東北の南北500キロを襲った明治三陸地震津波は、2万人以上もの命を奪った。あれから100年以上の時間が経過し、その当時の脅威を知らない世代を東日本大震災が襲った。
日が経つにつれて記憶から忘れられていく。新しく生まれてくる世代にはその脅威はわからない。だからこそ、伝えていくことがとても重要なことではないだろうか。
「大津波を忘れない。自分の命は自分で守ろう!!」。
保田真理先生の言葉は子どもたちの心に深く響いたようだ。
尚、大会翌日に計画されていた、石巻市、名取市閖上地区、亘理町、山元町の社会学習見学は、台風11号の影響により安全が確保できないことから、残念ながら中止となってしまったが、夏休みの自由研究の課題として、計画されたルートをそれぞれの児童たちが学ぶ予定だ。













