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東建ホームメイトカップ 2003

日本ツアー初Vにもノンプレッシャー。アンドレ・ストルツが名刺がわりの開幕戦初 V

どんなピンチにも、慌てず騒がず。 「だって、それが僕のプレースタイルなんだもの」とストルツ。 4番パー5では第2打で、左からの強い風を警戒しすぎて逆に大きく引っ掛けるピンチ も、そこから難なくピン5メートルにつけてバーディだ。 日本ツアー初優勝のプレッシャーなど、どこ吹く風。豪州ツアーであげた過去3勝 も、ノンプレッシャーで勝った。
「それより今日は、なかなか自分の望むようなプレーが出来ていないことに気持ちが いってた。その点では、悪戦苦闘していたけれどね」 18番では、ティショットを右に曲げ、隣9番ホールのバンカーへ打ち込んだ。第2打は ピン手前13メートル。バーディパットを70センチに寄せたが、それを外してボギーの ウィニングパットには「こういう形の優勝は不本意なんだけど」と、不満げに肩をす くめた。

この日最終日は、天気こそ回復したが、相変わらず冷たく強い風が吹き荒れた。しか し、次々とスコアを落すライバルたちを尻目に、ストルツは粘り強いゴルフを展開し ていた。 普段、練習しているオーストラリア・シドニー海岸沿いのコースは「強すぎて、ラウ ンドできないほどの風が吹く。だから、こういう風の中のゴルフは、得意なんだよ ね」とサラリといってのけた。

昨年のファイナルクォリファイングトーナメント(QT)9位の資格で、今季の日本 ツアー出場権を手に入れた。QTから来た選手の開幕戦Vという初の快挙も、ストル ツにとってはリベンジにほかならなかった。
一昨年前の2000年にもファイナルQTに挑戦し、ランク11位で参戦。しかし翌2001年 は賞金ランク113位と奮わず、悔しい思いで故郷に舞い戻った。「だから今年は絶対 に日本で1勝するって決めてたんだけど、まさか初戦に勝つとはね。最高だよ!」 すでに開幕している豪州ツアーで、現在、ランク1位につける絶好調ぶりを、そのま まぶつけたかっこうだった。
今季、フル参戦する予定の日本ツアー。その開幕戦で、名刺がわりの初優勝。「弱点 がなく、すべてにそつのないプレーができることが僕の長所」といってのけるストル ツが、今シーズン、大暴れの予感だ。

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