記事

三井住友VISA太平洋マスターズ 2004

リー・ウエストウッド「また、良い思い出ができればいいな」

大会2日目から、ひどい下痢に悩まされている。ホールアウト後も、サインを求めるファンに「ごめん、ちょっと待ってて」と謝って、トイレに駆け込んだ。
用を足しても違和感は残る。腹をさすりながら、ペンを走らせている。

そんな状況ながら最終日を前に3位タイ浮上は、96年の今大会から3連覇達成の貫禄か。

欧州ツアー17勝、そのほか、現役プレーヤーとしてはベルンハルト・ランガーの2人だけという米、欧、日、豪、南ア、アジア6大ツアーのすべてを制覇しているイングランドのウエストウッドも、3年前はどん底にいた。

2000年、コリン・モントゴメリーの8年連続の賞金王を阻止して頂点に輝いてから、ショットのイップスにかかり、低迷が続いた。
2001年には賞金ランク52位、2002年には75位まで落ち込んで、つらい時期を過ごしたという。

そんな不遇の時期も、ティーチングプロのデビッド・レッドベターに師事して試行錯誤を繰り返し、ようやく本来の調子を取り戻して今大会、5年ぶり5回目の出場が実現した。

最終日は、親友・クラークと最終組で激突。
「…彼とは5打差あるけど、何が起きるか分からないし、御殿場は大好きなコースだし。また良い思い出ができればいいな」と、こわした腹をさすりつつ話した。