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「今年も暖かいご声援をありがとうございました!」池田勇太

それを加えて振り返っても、「他の20代には味わうことが出来ないこの10年間になった」。
アマチュア時代の10代まで一気にさかのぼっても日本ジュニアと世界ジュニアを制してプロのトーナメントでは、日本オープンで25年ぶりの高校生ローアマに輝くなどその並外れた才能と、アマチュアらしからぬ(?)存在感は、千葉学芸高校時代から抜きんでていた。
名門・東北福祉大でも活躍。卒業して22歳でのプロデビューはチャレンジトーナメントから、“一軍入り”をにらんだ月日もつかの間、同年の2008年には9月のコカ・コーラ東海クラシックで優勝争いを演じて早々に初シード入りを果たした。
翌2009年には、年間4勝して石川遼と賞金レースを争った。「それから毎年、賞金王を目標にやってきたけど確か2010年も、キョンテに獲られて」。
そして2013年に、選手会長に就任してから3期目の今年もまた、「みごとに、キョンテに全部、持って行かれた」。
選手としても、選手会長としても、これをひとつの区切りに「集大成の年にする」と決めた2015年は、「最多勝利と賞金王」を目標に掲げて、いったん男のケジメをつけるつもりだった。
「今年は早いうちに1勝をあげられたが、そのあとは勝てそうで勝てない試合が続いた。何度も優勝はしたけれど、負ける一方でなかなか前に進めなかった。今年のキョンテの強さは、思いの外でございました」と年間5勝の鬼には、ぐうの音も出なかった。
「二足のわらじを履く」と決めた3年前。史上最年少の26歳で、その重責を引き受けた。「若輩者の私がと、ご挨拶申し上げて、試合数30試合。そしてこの男子ゴルフ界を変えていく、と大きな目標を掲げて始めたわけでございますが、ひたすら一人で突っ走ったこともございます」。
オンオフ問わず、スポンサーの声に耳を傾け選手、関係者間のコミュニケーションにつとめ、東北支援や被災地支援に駆け回り、主催者をおもてなしするゴルフコンペを考案するなど、良いと感じたことは、思いつく限りのことに挑戦した。
「やりきったわけではないけれど。やるべきことは、この3年間でやってきた」。しかし、今のゴルフ界で何か成果を成し遂げるには、3年という月日では足りないというのは改めての実感である。特に、今年は「近年の状況の厳しさが、身にしみた」と、選手と選手会長食の両立も、一筋縄ではいかず山積した課題に追いかけられるような日々の中で、「やはり、5年、10年と時間をかけて、取り組んでいかなければいけない問題」と、思い知らされた。
東奔西走の3年間も「結局1勝しか出来なかったし、賞金王にもなれなかった。悔しさはもちろんある」と、心残りは大いにあるが、会長職はここでひとまず次にバトンを渡すと決めた。
「20代は、40歳分の人生経験をしたくらいにすごく内容の濃いゴルフ人生になった。これをどうやって、これから30代に生かしていくか」。
シーズン最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」では、今年もまた最終日に全員出席の表彰式でも、その翌日の12月7日には、年間表彰式の「ジャパンゴルフツアー表彰式」でも、選手を代表してマイクを握り、今年もまたスポンサーや関係者のみなさま、そして何よりファンの皆さまに、この1年間の感謝とご挨拶を済ませて、安堵に浸る間もなく、池田は前を見据えた。
まずはこれから40代までの10年間に思いを馳せた。
「体力は、落ちていくんだろう。だけど、ゴルフは一番、脂が乗ると言われる時期であって、じゃあこれから毎年1勝していったら、永久シードも見えてきて、それなら年間2勝以上を挙げていったらどうなるんだろう、とか」。
ひとまず、ゴルフ1本で行くと決めた30代は、悲願成就も必須だ。
「来年は、複数回優勝をしたいし、“目指せ賞金王”というのは変わらない」。
重責を離れても、常に男子ゴルフの隆盛を常に考えることにも変わりない。
「試合数の減少、男子ゴルフファンの減少など、良い話題がない中で、今年以上の盛り上がりと男子ゴルフの魅力というものを見せられるよう、選手一人一人が精進していくしかない」。
来年は、リオがある。さらに4年後には東京もある。「30代で、私は3度の五輪がある計算になる。そういうところで、自分はどう戦っているのか。そこも含めていろんなことに挑戦していける、期待の出来る自分を作り上げていかなくてはいけないと思っている」。本業一本でも、これからも牽引役には変わりない。
2013、2014年、2015年ジャパンゴルフツアー選手会 選手会長 池田勇太よりご挨拶
「みなさまのおかげをもちまして、今年も男子ゴルフは無事、2015年の全日程を終了することが出来ました。これもひとえにスポンサー、関係者のみなさま、報道関係者のみなさま、ボランティアのみなさま、そして何より、ゴルフファンのみなさまより暖かいご声援を賜りましたおかげと、心より感謝申し上げます。
男子ゴルフでは今まで以上の盛り上がり、魅力というものをお見せできるよう、これからも引き続き選手一人一人が精進して参りたいと存じます。今後とも、変わらぬご支援のほど、どうぞ宜しくお願いいたします」


















