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片山晋呉賞金王の祝賀会で、大ハッスル!

すでに3回の出場経験がありながら、ハサミを持つ手が震えていた。1月31日に、都内の六本木ヒルズ・グランドハイアットで開かれた2004年賞金王祝賀会。
自身32回目の誕生日に行われた晴れ舞台で片山は、前日30日に届いたばかりのマスターズからの招待状を、緊張の面持ちで開封した。

中から、大会委員長のサイン入りのカードを取り出したとき、その瞳は心なしか潤んで見えた。

「そりゃあ…マスターズは僕だけでなく、どんな選手にとっても特別ですから…」。

昨年、3年連続の出場が途絶えたとき、あまりの悔しさに「絶対に見るまい」と、決めていたマスターズのテレビ中継。
結局、我慢できずに最終日のバック9から観戦した。
「改めて、『こんなところでテレビを見てる場合じゃない』と。やっぱり、またあそこに行って震えるような経験を、味わいたい」。
そう心に決めて臨んだ、2004年シーズンだった。

実は自身2度目の賞金王に輝いた昨年末に、マスターズ委員会からじきじきに、出場決定の電話が自宅にかかっていたのだが、「むちゃくちゃ早口の英語で聞き取れなくて…(笑)。半分、誰かの冗談かもしれない、とも思っていた」。

招待状を実際に手にし、しかも、この日はお祝いに駆けつけてくれたファン、関係者のほか大相撲大関の千代大海さんなど、スポーツ・芸能各界著名人ら約600人の目の前で封書を切れたことで、「…最高に幸せな誕生日になりました!」と、感激もひとしお。

さらに、トレードマークのテンガロンハットをかたどったオリジナルのバースデーケーキとともに、「ハッスルポーズ」でおなじみの格闘家・小川直也さんも登場。
「ハッピーバースデー、ハッスル! ハッスル!」の掛け声と同時に片山が32本のろうそくを吹き消すと、会場の興奮も最高潮に(写真下)。

「4月のマスターズでは、今日、招待状を開いたときよりも100倍以上の震えがくると思うけど…。日本のファンのみなさんを早起きさせるためにも、トップ10入り目指して死に物狂いでやります!」。
感極まったファンの歓声に後押しされて、「今年は、98年のジャンボさん以来の偉業を達成して歴史に名を残し、いつまでも語り継がれるような年にしたいと思います」。
思わず飛び出した2年連続の“賞金王宣言”に、割れんばかりの拍手はいつまでも、鳴り止まなかった。

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