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片山晋呉が有言実行のアンダーパーをマーク(全英オープン3日目)

この日は第1組の8時10分からミュアフィールドに出た片山は、「露払いをしてきた」と得意満面。本人は、相変わらず「テンションが上がらない」と言い張るが、特に後半の上がりホールはノリノリだった。

14番は右の手前のバンカーから、「狙っていた」。完全に、入れるつもりのショットは惜しくも外れて、思わずリンクスコースに大の字に。16番のパー4は、4メートルのチャンスを沈めて、ガッツポーズだ。

17番は、この日一番の大ピンチ。フェアウェイからウッドを握った2打目は、これほどの実力者でさえ想像だにしなかったミスをした。カチコチの地面を想定して、開幕目前の水曜日に、大会の“オフィシャルワークショップ”でもあるミズノのサービスバスに駆け込み、アイアンのバンスをすべて削ってもらって準備は万全。

「でも、フェアウェイからウッドで、日本じゃ絶対にありえないミス。ソールが先に当たって、かぶってるから何それ、って。」。絶好の位置から、左ブッシュにぶち込んで、さすがの片山も目がテンに。

だが日本で5度の賞金王は、そこからが凄かった。「打とうと思えば打てた」。しかし、以前もブッシュから無理に打って身体を痛めた経験から「1打のために、身体を犠牲にすることはない」と、アンプレヤブルを即決。あっさりとドロップをして、確実にグリーンのエッジをとらえた。そこから3メートルをパターでしのいで、ガッツポーズを見せつけてなお、「あれはたまたまつい、出てしまっただけで」と、あくまでも平常心を強調したが、「ゴルフがいま凄くいいから」。板の間のようなグリーン上でも、まだ3日間で3パットは1度だけという好調ぶりにも、あふれる充実感は隠しきれない。

報道陣を前に、リップサービスで「明日はアンダーパーを出す」と言った。前日2日目の予言どおりに、69をマークしてみせ「今日のスコアは凄く大きい。今日はすごく、ハッピーな1日!」。10年ぶりに過ごすリンクスでの週末。最終日こそ、忘れられないくらいに幸せな1日にする。

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