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選手会長が宮崎合宿を視察して「魅力ある若手選手を育てる基盤」

前日は愛媛の松山で、池田が学生時代から応援してくださっている方々との年に一度の懇親ゴルフに参加したその足で、池田が宮崎入りしたのは28日の午後。まず練習場に顔を出し、そのあとスポーツジャーナリストの島村俊治氏の講義「プロはこの道一筋、珠玉の言葉から」も、夕食を挟んで7時半から廣戸聡一氏の「身体理論」も会場の一番後ろの席に陣取って、お話に聞き入った。
その中で感じたことは、「若い選手たちの、自分たちももっと上を見たいんだ、という思い」。高い向上心を持って、参加している今回は24人の選手たちは、「間違いなく、これからの男子プロゴルフ界を飛躍させてくれる人材。その基盤を作るひとつの舞台として、こういう場を提供してくださったスポンサーの方々には本当に感謝したい」と、合宿の特別協賛のセガサミーグループや、ウェア提供のデサントのみなさんに深々と頭を下げつつ「特に若い選手たちには、素晴らしい練習環境に恵まれたここフェニックスカントリークラブで技を磨き、腕を競い合い、将来の糧としていただければ」と、エールを贈った。
史上最年少で重責についた就任1年目の昨年は、選手会長と選手との両立にもがき苦しみ、マイナビABC選手権でやっとの思いでもぎ取ったツアー通算11勝目は、こみ上げる涙を抑えることが出来なかった。
そんな姿を間近で見てこられた家族の反対もあり、今年は本人もほとんど逃げ腰だったのに、土壇場で続投を決意したのは、特に先輩プロたちから「僕らが出来ることは、何でも手伝うから。引き続きツアーのために、先頭に立って欲しい」と、再び担ぎ上げられたから。
結局、家族の反対を押し切って、女手一つで育ててくれた母親の気苦労をまたひとつ、増やしてしまったのは心苦しい限りだが、もともと責任感の強い性格は、そこまで言われて途中で投げ出すことを、到底よしとしなかった。
就任後はすぐにみなで話し合い、さっそく選手会理事の役割を事細かに定めて、各担当理事の業務分担を明確にした。
その最初の試みがこの宮崎合宿。1回目の初日は小田孔明が“出張”してマイクを握り、続いて2月3日から始まる2回目も、間もなく担当選手が決まる予定だ。
「今年は遼と英樹がアメリカに行ってスター不在の中で、いっそうツアーの結束力が問われる」。より一丸となって、取り組んでいく覚悟だ。もちろん、選手会長自身も何よりまず“本業”でゴルフの魅力、プロゴルファー池田勇太の魅力を伝えていくことが使命であることは、改めて言うまでもない。
「応援してくださる方を、がっかりさせたくはないので」。このあとは慌ただしくハワイに飛び、再び自身の調整にもつとめる予定だ。















