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<マスターズ特集>3年連続3度目のマスターズ出場、片山晋呉

昨年12月の最終戦、ゴルフ日本シリーズJTカップ。開催前から、片山は「この大会でぜったいに勝つ」と決めていた。
前年末の世界ランキング50位内という出場カテゴリーがあるマスターズトーナメントに、自身、3年連続3度目の出場を果たすには、「ここで勝って、可能な限りポイントを上げておく。それしかないでしょう?」 目標は明確に。強い意志で、とうとう最終日まで一度も首位の座を譲らず、ゴールを駆け抜けたのだった。
その日本シリーズで片山は、「ゾーンの中で、頂点を極めるゴルフ」を、自らに課していた。

「以前、中嶋(常幸)さんに、“世界でやっていくにはどうすればいいか?”という質問をしたことがあったんです。そしたら中嶋さんは、『優勝のかかったバック9で、いかに自分の中の極めた部分=ゾーンを出していけるか、それが大切だ』と。だから、日本シリーズの最終日は常に、そのことを意識していました。これがもし、メジャーの舞台の優勝争いならば、僕にはどんなことができるんだろう…。最後まで、そう考えながらプレーができたんです」
優勝争いの中にいながら、翌年、再び立つ予定のオーガスタの舞台を想定していた片山の頭には、2位との差も、相手のゴルフも、いっさいなかった。
片山の脳裏にあったのは、「どんな場面でも、ひたすらにピンだけを狙っていくゴルフ」。それこそが、メジャーチャンピオンに求められる姿なのだと、片山は理解したからだ。その結果の日本シリーズ最終日でのノーボギー、2位と9打差ぶっちぎりのV。
片山は言った。
「もちろん、これでもまだまだ僕に足りないものがたくさんあるってことは、知っています。だけどあの優勝が、“あともう一歩、極めれば、僕でもメジャーの舞台でやれるのではないか?”そんな自信をつけさせてくれたのも、確かなんです」。
“カウボーイ・シンゴ”は今年、オーガスタでどんなパフォーマンスを見せてくれる のだろう。

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