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フジサンケイクラシック 2006

木場本猛「目標は、プロの世界で1位になること!」

身長182センチ、体重79キロ。大型選手だが「実は僕、あんまり飛ばないんです」。だから、この日朝から降りしきった大雨は苦痛だった。
たっぷりと水を含んだ芝は、ランが稼げない。ツアー屈指の距離を誇るコースは、ますます長く感じた。
5番パー5で残り235ヤードの第2打を右の林へ。ダブルボギーを打った。

8番で競技中断になってむしろ「ホっとした」。
13時の再開後は雨が小康状態。
「飛距離の心配がなくなった」ことで持ち味を取り戻し、後半イーブンパーで乗り切った。

名門・日体大出身。
1年上に細川和彦、同期には平塚哲二がいるが、卒業時はプロの世界に興味がなかった。
父親の会社を手伝いながら、アマチュアとして活動していた。

転機が訪れたのはその3年後だ。
日本アママッチプレーで2位、日本オープンでセカンドアマ。
たて続けに2位に甘んじたことで、火が点いた。
「プロになって1位になろう」。
研修生として一からスタートし、翌97年にプロテストに合格。

ファイナルQTランク26位の資格で、本格参戦を果たした今季。はじめはトーナメントの空気に呑まれていた。
「みんなすっごく上手くって。俺、どうするの?って感じだった」と振り返る。
初めは飛距離の差に悩んでいた。
だがいつまでも、ないものねだりしていても始まらない。

「曲がらないのが、僕の持ち味」。
長所を生かして、まずはフェアウェーキープに徹したら、「飛ばなくても、何とかなるってことが分かってきた」。
その手ごたえが今週、このタフなコースで生きている。

木場本猛(きばもとたけし)プロフィール
1972年2月22日。大阪府出身。西宮名塩ゴルフセンター所属。
クラブを握ったのは中3のときだった。「僕が悪さをしないよう、はじめは父親に強制的にやらされていた」と笑う。
日体大卒業後は父親の手伝いをしながら、アマチュアで活躍。
その3年目に日本アママッチプレー、日本オープンと立て続けに“2番”になったことで、「プロの世界で1位を取ろう」と一念発起。1997年にプロ転向した。
「・・・でも、実際はものすごくレベルが高くて。いまは、ここで本当に1番なんかなれるのかな、というのが本音なんですが・・・」。
身長182センチ、体重79キロ。

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