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関西オープンゴルフ選手権競技 2011

7位の田保龍一(たやすりゅういち)は地元関西で「恩返し」

67のスコア以上に目立っていたのがこの日のウェア。あでやかな山吹色のポロシャツに、ブルーをベースにしたアーガイル模様のスラックス。ついでに、キャップの裾から覗いた茶髪と右耳にピアス。「えっ、派手ですか?」と首をかしげる。「普通ですよ」と、いたずら顔でうそぶく。

大胆な衣装とは対象的に、プレーは手堅く「かなり刻んで」5つのバーディ。この日、ティショットでドライバーを握ったのは5回という。
「ほかはスプーンか5番ウッドで打ちました」。関西ゴルフ連盟が主催するトーナメントの戦法は心得ている。

まだ、今大会がツアー競技に復活する以前の2005年のチャンピオン。「独特のセッティング。とにかくものすごく狭いから、なんとかフェアウェイに置いときたい」。徹底した安全策で、じわりと好位置で決勝ラウンドに進出した。

大阪府の八尾市出身。自ら「コテコテですわ」と言って笑う。子供のころからやんちゃ坊主は、地元の市立高校に進んだものの「素行が悪くて」。1年生の1学期で早々に退学した。
「先生に呼ばれて、もう進学無理やぞと言われて。ほな、もうやめとくわ、と」。

先行きを案じた父親が、つてを頼って“就職先”を見付けてくれた。
それがいまの所属先でもある奈良県のオークモントゴルフクラブだった。

研修生になって4年後に、プロテストに一発合格。片山晋呉らスター選手も目白押しだった95年にあって、「20歳と1ヶ月はその年の最年少プロだった」とは本人の弁。「当時は上手かったんですよ」と胸を張る。
「八尾出身のサラブレッドですよ」と、自ら持ち上げてから、オチをつけるのも忘れない。「期待されながら、この有様です」。

ツアーのシード権はおろか、出場権もままならないこれまで16年のプロ人生は、「頑張れよと言って下さる方をレッスン“させていただく”ことで、支えてもらった」としみじみと話す。
昨年のファイナルQTでランク32位に入って本格参戦を果たした今季は、「お世話になっている方への恩返しがしたい」。
見た目とは裏腹に、恩義に厚い36歳が地元関西で上位進出をにらんでいる。