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<大会3日目>僅かな可能性を残したチーム・ジャパン

池田自身が溶岩石を運んでいたら皆も手伝いにやってきた
大会3日目、この日もどんよりとした曇り空。時より強い風が吹く中、フォアボールでのゲーム方式で行われた。昨日のフォアサムと違ってスコアが伸びていくフォアボール。各チームスコアを伸ばしていく中チーム・ジャパンは、前半重い空気に包まれた。出だしの1番ホールでは、池田のティショットが右の溶岩石の中へ。アンプレアブルか、と思われたその時、池田は自らボールが動かないようにボールの周りの重い溶岩石を何個も動かし始めた。4人全員で15個程の溶岩石を動かして打てる状態に。そこから脱出を試みたが前方の木に当たりギブアップ。一方の平塚はフェアウエイ右サイドから打ったボールは、グリーン手前約5ヤードのところへ。いきなりピンチを迎える。プレッシャーがかかるアプローチパットは思わず入りそうな絶妙な技を魅せた平塚。ナイスパーで切り抜ける。

対するウェールズは、着実にバーディを積み重ねる。次第に焦りが出始める日本チーム。2番、3番、4番、5番とチャンスにつけるもスコアにつながらない。そして迎えた6番ホール(パー5)池田がショットを曲げて平塚だのみになったその平塚の3打目。グリーン右手前約54ヤードからスピンをかけて打ち出したボールは、ピン手前に落ちカップを30センチ程オーバーすると、いきなりバックスピンで戻りカップに吸い込まれた。ギャラリーから大歓声が上がる。スタートから重い空気が流れる中、この平塚の目が覚めるようなカップイン・イーグルで一気にチーム・ジャパンが蘇った。「悪い流れを変えたかったので、あのホールで丁度ティショットの打つ順番を変えてうまい事、波に乗れましたね。」と平塚が振り返る。

続く7番ホール(パー4)では二人ともフェアウエイから放ったボールは、バーディチャンスにつける。平塚が惜しくもバーディを逃すと、今度は池田がきっちりと2メートルを決める。そして8番ホール(パー3)でも二人がバーディチャンスにつける。今度は平塚がバーディをもぎ取り、前半の折り返しで4つスコアを伸ばしてきたチーム・ジャパン。

後半もパー5の12番そして距離が短いパー4の16番できっちりバーディを積み重ねるが、なかなかチャンスにつけるもスコアに結びつかない。「ピンの近くに寄ってもすごい傾斜のところだったりで、ラインを読み切れなかったり、スピードが合わなかったりでなかなか入らなかったですね。もっと伸ばしたかったですが、二人ともショットが曲がって調子良くない中でボギーなしの6アンダーで回れたのは良かったんじゃないですかね。」と平塚。

結局この日66の6アンダーでトータル14アンダーの12位タイ。明日最終日に向け、かすかな逆転優勝の望みをつないだ。「今日、今一つ伸ばせなかった分、明日は伸ばしていきたいんですが、フォアサムは伸ばしていくのがなかなか難しくなってくると思いますが、一つでも多くのバーディを取って少しでも上を目指して頑張りたいと思います。」前向きの池田。自分の思ったイメージ通りのプレーがなかなかできない池田。ラウンド後の練習では、先に引き上げた平塚に対して一人で何度も何度もドライバーそしてアイアンショットの練習を繰り返していた。

3日目の上位チームと日本の成績

1位    アイルランド   −21
2位タイ  ドイツ      −19
      南アフリカ    −19
      アメリカ     −19
5位    オーストラリア  −18
6位    オランダ     −17

         
12位タイ 日 本       −14

  • リカバリーショットは・・・
  • 6番ホールのイーグルから流れが変わる
  • 溶岩石で埋め尽くされた道を渡って行く
  • 明日に望みをつなげた「写真提供/GDO」