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【全米プロ】<大会3日目> 藤田寛之 『責任を感じる・・・』

3番でバーディー、4番でボギーを叩くも、6番でバーディー。この時点で3オーバー。
藤田は、予選カットラインが+2、もしくは+1という状況はおおよそ把握していたという。
残り3ホール。しかし、この難コースの9ホールで、そう簡単にバーディーが量産できないことはわかっていた。
「今日はスタートする時点で、トータル2オーバーが目標だった。今の自分ゴルフの状態で、最後までよくやった方だと思う。2日間、悪いなりにプレー出来ていて、これが今の自分の限界かな・・・。」
最終ホールとなった9番はダブルボギーを叩き、2日間トータル5オーバーで、3年連続出場を果たした今年の全米プロを終えた。
藤田は、今年の4月に優勝したつるやオープンの記者会見で、こんな話をしている。
「今は、常にワールドランキングで自分がどの位置にいるのかを把握しながら毎日プレーをしている。日本で優勝することはもちろん嬉しいことだけど、ワールドランキングで1つでも順位を上げることが今の最大の目標であり、それがモチベーションにつながっている。」
今回の全米プロは、ある一定の時期のワールドランキングで100位以内に入っていると、招待状が届くことが慣例となっている。
昨年、一昨年と、藤田の手元に全米プロの招待状が届いたのは、どちらも大会の1週間ほど前。
しかし藤田は、この全米プロに出場するたびに、“すごく良い雰囲気で大好きな大会”と感じていた。
だからこそ今年は、日本のシーズンの初めからワールドランキングで100位以内に常に入っていることが目標で、それをモチベーションに国内で奮闘した。
「日本の国内では、常にトップ5に入るくらい相当良い成績を残していないと、ワールドランキングの順位を上げたり、維持することは難しいこと。国内でしっかりプレーして、がんばってきた結果、この大会に出場することが出来た。」
そんな強い思い入れのあるメジャー大会に出場することができたが故に、ゴルフの調子がどん底の状態で臨まなければならなかった自分に、やはり納得できない。
「結果的に、日本人は誰も予選通過できなかった。日本のトップ選手が何人も出ているのに・・・。これじゃダメ。決勝ラウンドに日本人が誰もいない。ボクも責任を感じます。」
藤田は、常日頃からワールドレベルの大会に出場する度に、「日本人選手が予選通過するだけで喜んでいるようではダメ。日本の選手はもっと上位に行けるはず。絶対に出来るはず。」と言い続けている。
それだけに、今回の自分の不甲斐なさを悔やんだ。
今年は、6月に全米オープン、7月に全英オープン、そして今回の全米プロと、毎月日本と海外を行き来するスケジュールが続いた。
「来週以降は、しっかり日本のトーナメントに集中することが出来る。ゴルフの調子自体は、どん底の状況から脱しつつあって、自分の中では好感触を得ることが出来ている。良い方向に進んでいると思う。」
来週は、ディフェンディングチャンピオンとして関西オープンに出場する。
「次の目標は、今シーズンの国内2勝目です。」
予選落ちが確定してしまったにもかかわらず、ドライビングレンジでただ1人、ボールを打ち続けていた藤田。
次の目標に向かって、黙々と突き進む。
















