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池田勇太が子供達に伝えたかったこと・・・②

プロ1年目の2008年は、チャレンジツアーを戦いの舞台としていたが、池田はこの1年間はとても辛かったという。「チャレンジは2日間競技がほとんど。初日に出遅れたらダメ。おまけに試合数も少ない。とても厳しい舞台だった。」
しかし、辛く厳しい舞台で年間賞金ランキング2位となり、いよいよツアートーナメントへの出場資格をもぎ取った。
昨年のツアートーナメントでの活躍は言うまでもない大活躍。
池田は、「年間4勝も出来て、賞金ランキング2位になったことは、今でも夢を見てるんじゃないかと思うことがある。」という。
「去年は、最高の形で今まで支えてくれた人達に恩返しが出来た。特に、祖父、祖母、母親に対して恩返しが出来たことが一番嬉しかった。」
最後に、池田が子供達に伝えたかったことはこうだ。
「皆さんはお父さん、お母さんに常に感謝してください。皆さんがここにいることができるのは、お父さんとお母さんがいるから。お母さんは苦しい思いをして君達を産んでくれたんです。僕は特にお母さんには本当に苦労をかけました。去年、恩返しが少しは出来たとは思うけど、でもまだまだ足りない。僕は言葉で“ありがとう”と面と向かって言うのは少し照れもあって恥ずかしい。だからその感謝を形にして伝えることにしています。目標や夢、その原点は皆さんのお父さんとお母さんです。常に輝いた自分を持っていてもらいたいと思います。辛いことや苦しいことはたくさんあるけれど、それを乗り超えれば、更にその輝きは増すはずです。スーパースターにならなくてもいいです。その世界における“プロ”になってもらいたい。目標を大きく、そしてプロ意識を持てる、そんな大人になってください。そして、家族を大切にする人間になってください。」
体育館の後方に座っていた父兄の中には、涙を浮かべて聞き入っている人が何人もいた。
それほど心に響く講演だった。
講義が終わり、子供達から花束と校歌の合唱をプレゼントされたあと、またまたサイン会の始まりだ。
サインを1度もらった子供達も、今度は筆箱や下敷きを持ってきて、「これにもサインしてください!」。講演会に出席していた父兄や関係者、さらには小学校の隣にある中学校の生徒まで並んでしまう始末。
しかし、池田はずっと笑顔でサインをし続けた。
この日書いたサインは、なんと約1,300枚。
「1日にこんなにサインをしたのは初めて。昨年優勝したブリヂストンオープンでも300枚だよ。びっくりだよ!」
「でも、みんな温かかったよなぁ。今回、小学校訪問をさせてもらえて良かったよ。」
そう言った池田の顔は、充実感で漲っていた。
池田勇太の人間性を存分に感じ取ることができた小学校訪問だった。















