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片山晋呉が、マスターズに向けて順調な仕上がり

準備不足のままオーガスタに入って、良い結果が得られるはずがない。
世界と、賞金王のはざまで「守り」に入って、さまざまな面でどこか思い切れない自分がいた。
「でも、いまは自分の中に勢いがある」と感じている。
いったん、賞金王の座を谷口に譲ったことで吹っ切れて、今まで以上に高い目標を目指して思い切ってトライしていけるようになったのだ。
このオフは、早くも昨年の12月から始動。1月には恒例の宮崎合宿で体を仕上げ、2月の米ツアー「ノーザントラストオープン」で今季初戦を迎えた。
続いて、世界ゴルフ選手権のアクセンチュアマッチプレーに出場。
帰国後、再び宮崎で今度は本格的なラウンド合宿を行ってから、先週末は福岡に場所を移した。
今年の日本オープン会場の古賀ゴルフ・クラブを視察して、その足ですぐにお隣の韓国に飛んだ。
世界ランクの資格で出場権を得た今週の欧州とアジアンツアー共催の「バランタイン選手権」は、済州島にあるピンクスゴルフクラブが舞台だ。
月曜日に現地入りして、前日火曜日に18ホールをこなし、プロアマ戦のこの日は最後の調整。
パッティンググリーンで今季、新たに編み出した“ニューグリップ”で何度も感触を確かめた。
両の親指を太グリップの上でピタリとくっつけて固定して振るこの打ち方なら、「インパクトの瞬間に手が使えなくていい」。
以前は、打つ瞬間に「何かに反応してビクっとすることがよくあった」というが、新しいこの握り方ならその影響もほとんどなくストロークできる。
「ここのグリーンは目が強いって? そうかなあ、僕は全然気にならないけど」。
そう自信を持って言えるのは、今年に入ってすでに、このグリップで実践を積んできたたまものか。
最終日にいったん日本に戻るが翌月曜日には、また慌しく旅立つ。
次は米フロリダのマイアミで行われる世界ゴルフ選手権の「CAチャンピオンシップ」。
息つく間もないハードなスケジュールも、すべては「どんなに内容の濃い練習を積んだって、試合でやってみなくちゃ何も分からない」という思いから。
今年一番のピークを、マスターズに持っていくためでもある。
1試合こなすごとに、オーガスタが近くなる。















