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東建ホームメイトカップ 2024

ぶっつけ本番も引け目も糧に。今季初シードの前田光史朗「自分もできる」3差の2位に

やむをえない予習不足が奏功した。
今季初シードの前田光史朗(まえだ・こうしろう)が、3差の2位に。



午後スタートのこの日は、「61」で回ったアマの中野さんが10アンダーですでに飛び抜けていたのだが、「まだ初日なので気にせず」と、気負いすぎずに好発進だ。


せっかくフル参戦が実現した今季の開幕戦。
「特にグリーンの速さをしっかり見よう」と、火曜日から練習ラウンドするつもりが、豪雨に雷。

昼過ぎまでコースが閉鎖された影響で、けっきょく翌日水曜日にインの9ホールしか回れなかった。


だからこの日後半のアウトコースはぶっつけ本番。

「攻めたりせず、スコアを落とさない様に」。

途中から冷たい雨も降り出し余計に警戒。

「ピンを狙わないように、センター狙い」と慎重に、3番と4番と6番で確実にチャンスを獲るなど、前半と合わせて7バーディの「64」。

ボギーなしで回りきった。


ファイナルQT11位の資格で出たルーキーイヤーの昨季、9月の「ANAオープン」で最終日に一時、首位に立つなど自己ベストの2位に入った。


そこから「バンテリン東海クラシック」6位タイ、「ACNチャンピオンシップ」7位タイと立て続けにトップ10を記録。

賞金ランキング42位で初年度の初シードに成功したが、目標の初優勝には及ばず。


「終盤に失速したのが悔しかった」と、シーズン最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」の初出場もしそこね「今年こそ」と、心を燃やす。


フル参戦に備えて今オフは、「本当は嫌いです」と言い切るトレーニングを課し鍛錬。

「10ヤードは飛距離が伸びた。去年よりセカンドの番手も違う。充実したオフを過ごせた」と冷たい雨のこの日も、2年連続出場の成長を実感できた。


昨年の賞金レースで主役を張った中島啓太や蟬川泰果や平田憲聖と同学年の00年生まれ。

特に、中島と蟬川は小学生のころから知る。
「ジュニアの頃から格上だった」と、仰ぎ見るばかり。


大学時代は、蟬川がいた東北福祉と前田の母校の日大とで覇権を争い「常に僕らが負けてばかりの印象でした」と、右も左も分からぬプロ転向直後は引け目があったが、「今はプロとして同じ舞台でやっている」と、徐々に開眼。
「彼らがやるなら自分もできる」と、むしろ飛躍に糧にする。


端正な顔の作りに、よく言われるのが「歌舞伎役者の人みたい」。光史朗と、ちょっぴり古風な名前の由来は「光り輝く人になり、歴史に名を残せるように」。

シード初年の開幕Vで、光輝く年にする。


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