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~全英への道~ミズノオープン

大会記事

11本で勝っちゃった! パグンサンの全英オープン3か条

11本で勝っちゃった!©JGTOimages

フィリピン出身のパグンサンが逃げ切った。3差をつけて入った18番では、勝利のパットを沈める前からニヤけてしまった。
「10年……10年だよ! 優勝まで10年かかった。やっと解放された」。
自身8年ぶり、3度目の全英切符も手にした。
「イギリス…イギリスだよ! また行ける。今からビザは取れるの?隔離はどう?」とそこは妙に現実的に、マネージャーの松室さんが、キャディバッグを持ってあげると言ってくれたが「大丈夫だよ。最後まで、自分で運びたいんだ」。
ついに短縮競技の3ラウンドとも11本でのセルフプレーを貫き、10年目の初優勝は達成された。

3差の首位から出た最終日はスタートから緊張と、43歳なりの疲れを感じて1番、3番でボギーが先行。
一気に1差に迫られ「これではいけない。気合を入れなおした。まだ15ホールある。気持ちを楽に持つことにした」と、4番のパーセーブで目を覚ますと、6番では1メートルのチャンスを沈めて完全覚醒。
11番では「アメージング」なチップインバーディもあり、再び愉快な独り旅を開始した。

キャディバッグを自ら担いで歩くセルフプレーは今年3度目だが、本来なら、14本まで携行できるクラブを11本しか持たずに試合を戦うのは自身でも、今回が初めて。
「年だし、もう若くない。前の2回は重かった…(苦笑)」。
でもコロナ禍で、昨年からセルフプレーが導入されてから、各大会でレンタルできるようになった電動カートは「グリーンをぐるっと回るのが僕には面倒なんだ」とそこは頑として、担ぎプレーの軽量化大作戦。

3番と4番、6番と8番と、アイアンを4本も抜いて、代わりに投入した19度のユーティリティアイアンは、2打目で使った反撃の6番パー5で「254ydも飛んで。自分でもびっくり!」と、不自由もなし。

吹き下ろしの16番パー3は、唯一頼りの距離計測器で実測198yd。「7Iで少し強めに打つ必要があった」と6Iの替わりでも2メートルのバーディを奪ってみせた。

反面、こだわりのウェッジ4本は、風の強弱を見ながら50度、52度、58度とPWで緻密に打ち分け、後半になるほどチャンスを量産。
母国フィリピンで培った低弾道のショットは振り幅の強弱で、距離を出したり減らしたりと器用に、同組の宮本勝昌も「11本のゴルフは僕にはない発想。天才ですね」と、絶賛。
「ミヤモトさん、アリガトウ…」。
初めて臨むスピーチ用に、急いで作ったカンペの「お礼リスト」は主催のミズノ社に始まり、今週泊まったホテル名まで書き込む律儀さだった。

父と叔父もプロというゴルフ一家に生まれ、28歳の2006年にプロ転向した。
2011年のアジアンツアーで賞金王に輝いたが、未勝利だった。
翌年から参戦した日本ツアーも今年5月の「アジアパシフィック ダイヤモンドカップ」が、通算7度目の2位だった。

「10年かけて、やっと勝てた」。

8年ぶり3度目の全英切符も獲得し、7月の”聖地”セントジョージズに向けて掲げた目標も、以下の通りにユニークだった。

1)まず、無事に渡航ビザを取得すること。
2)イギリスの感染状況を確認し、適切な感染防止策を取って臨むこと。
3)優勝のチャンスがあるなら、全力で挑むこと。

いつも愉快な43歳。
でも、3月に出国してからコロナ禍の首都マニラには、いつ帰れるともしれない。
「いつも応援してくれてありがとう。これからも、どうか無事でいてね」。
遠く離れた家族への伝言では、いつも明るい声がさすがに詰まった。

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