関西オープンゴルフ選手権競技 2019

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中嶋常幸が今年最後と決めた試合で思うこと

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  • 初日から、この大会でのラストゲームに付き合ってくれた若い堀川(左)にも、その背中を見せることができて満足だ。

初日の4オーバーが響いて、予選通過には及ばなかったが「今日の2アンダーは、プライド」。
ツアー通算48勝の、関西でのラストゲームを目に焼き付けようと駆け付けた熱心なファンの前で「今日は沸かすこともできたと思うんだ」。
最後9番でも1.5メートルのパーパットをしっかりしのいで拍手を浴びながら「いいものも見せられたと思うし、自分としては悔いはない。よくやりました」。

今大会が2009年に、レギュラーツアーとして復活した時には「ありがたかったし、嬉しかった」と、関係者の熱意に打たれて「大会に恩返し。体の状態さえよけば」と、可能な限りでエントリーを続けてきたが、今年65歳はついに「気持ちはあっても体がついてこない。自分の思う通りのパフォーマンスが出せない。もう限界」。
どうにか2年連続でエントリーを決めた今年が「最後の出場」と、心に決めてやってきた。

それでも、この日は思いのほかドライバーショットに手ごたえを感じたり、初日から同組で回った若い堀川には、ラウンド途中に「"トミーチャレンジ"が、僕の思い出なんです」。
中嶋の名前を冠し、2008年から2012年まで続いたチャレンジトーナメント(現AbemaTVツアー)の「静ヒルズトミーカップ」でその開催最終年に、堀川はベストアマチュアに輝いた。
その堀川に「来年も出てください、って。昨日も今日も言われて。かといって一度言ったことを覆すわけにもいかない。始まる前から決めていた」。
ぐらつきそうな思いを懸命にこらえて「そういう声を、もらっているうちが華。そういう声をもらっているからこそ、潔い引き際になるんじゃないか、と」。
最後と決めたラウンドを、せめてアンダーパーでおさめて改めて、ここで一線を引くと決めた。

今後のレギュラー参戦は、ホストプロとして臨む「ダンロップ・スリクソン福島オープン」と「ダンロップフェニックス」のみと定めて、「年に2試合であれば若手の邪魔にもならず、喜んでもらえるのでは、と」。
改めて、ここに宣言した。

父親の最後の試合に、長男マサオも出場して通算4アンダーで予選を通過。
その目にその背中を焼き付けながら「マサオだけじゃなく、今の若い選手はみんないいゴルフをするようになった」。
自身と、青木とジャンボ尾崎の永遠のライバル3人を総じて「AON」と呼ばれたが、「今の若手には俺たちのような人間臭さというか、泥臭さがない。俺たちのころは勝つのは当然のこととして、彼には負けない、試合に勝って彼にも勝つ…そういうのが目標だったけど、時代。今やったって、それはもう流行らない」と、自分たちの流儀を押し付ける気は毛頭ない。

年齢と同じか少ないスコアで回るエージシュートやらにも「元気があればいつか出る。焦っていない」と泰然と、数々の伝説を築いてきたレジェンドは、これから新たな時代を今度はロープの外から見届けると決めた。

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