関西オープンゴルフ選手権競技 2019

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感謝と詫びのV争い。中西直人が初の最終日最終組へ

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3日目のスタートでさっそく「ナイスショット!」の大歓声に「ありがとうございます」。
はんなりとした関西弁の謝辞は3番から連続バーディを奪って、やんやの拍手を浴びればなおのこと。

パットイズ…ならぬ「ドライバーイズマネー」がモットーだ。
17番は、なんとしてもバーディ以上が欲しいパー5で、名字の「中西」ならぬ「自称"攻め西"」は残り104ヤードの3打目で、「体がピンに振りたがる」と、攻めに行ったら奥に打ち込み、ボギーを打った。

一時は2打差のトップから、2打差の3位に後退すると大声で「…すみません!」。
ため息のするほうへ、今度は律儀にお詫び。
プロがミスしてギャラリーに謝るなど前代未聞?!
「ロングホールでみんなバーディ獲るんとちゃうかなと思って見ていたホールで、期待に応えられずに"すみません"」。
「もったいない」の声には、満面笑顔で謙虚に「それが僕の実力です!」。

中継局サンテレビのマイクが拾う、プレー中のプロとギャラリーの和やかな会話。
「拍手してくれて、応援してもらって"ありがとうございます”。僕の素ですね」とこの選手には、呼吸をするより自然なことだ。

「勝つための準備は練習でしてきた。コースでは、みなさんに楽しんでもらえないと、僕も楽しめないと思うが今日は僕が一番楽しんでしまいました。今日は本当に、ありがとうございます!」。

鍛えあげられたムチムチの胸筋に一杯の感謝の気持ち。
誰よりも、伝えたい相手は3歳の長女・寿華ちゃん、次女で1歳の莉華ちゃんを抱っこでロープの外から見守る妻の愛莉さん(28歳)だ。

日大時代にあまたのアマタイトルで、2011年に「すぐに勝てる」とプロ転向したが、アドレス時に手が動かなくなる3度目のイップスを患った。直後の2015年に後輩の紹介で結婚して家族を養う立場にありながら、レギュラー昇格すらなかなかできずに「自分は向いていないのではないか…」。
そんな気持ちでコースに立つと手が震え、「頭も真っ白」。
思いつめ、「ゴルフ場にいるのもつらかった。もうやめようかな…」。
その時に、「僕以上にポジティブ」という愛莉さんが言ってくれた言葉が「人生、楽しまないと損やで」だった。

ファイナルQTランク17位の資格で2012年以来となる2度目のツアー切符を手にした今季、妻の金言をよりどころにギャラリーを、笑いの渦に巻き込みながら、「今日はみなさんに応援していただいたおかげで実力以上のゴルフができました。ありがとうございます!」と感謝、感謝のV争い。

勇壮なだんじり祭りで有名な大阪・岸和田生まれだが、今週は練習拠点の三重県伊賀市から、車でたった15分の自宅通勤。
ハーフターンで愛娘をつかまえ「可愛くて、このまま後半連れていきたいくらい」。
最愛の家族同伴で挑む自身初の最終日最終組。
地元初Vはさておき、まず目標は「やっぱり明日もみなさんに楽しんでもらうこと。それ以外に何もない。いい意味でも悪い意味でも笑ってもらえるのが一番」。
緊張する最終日こそ、お祭り男の本領発揮だ。

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