東建ホームメイトカップ 2019

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人生の嬉しい誤算。ブレンダン・ジョーンズがV15

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  • ぎゅうぅう

"BJ"が3年ぶりのツアー通算15勝目を飾った。
7年ぶりの開幕戦V2も、62で回って大逆転した当時のような余裕はなかった。
ボギーなしの7アンダーを出しても最後まで安心できなかった。
出だしから12メートルが決まった。4番では6メートルのイーグルパットも沈めた。
しかし終盤15、16、17番で短いパットが決まらない。
そのうち大親友のグリフィンが後ろの組から猛然と追い上げてくるのが見えた。
最終ホールで2打目をグリーン奥に打ち込み焦った。「やばい、追いつかれる」。
傾斜のラフから不得手なアプローチをする自信がない。
「恥ずかしかったけど、パターで打った」。それでも寄らずに5メートルを残した。
「実際より長く長く感じた」。16年にクラブを体につけて打つアンカリングの禁止ルールが適用されたのを機に、トレードマークの長尺パターを手放してから不振が続いていたパット。「でもこのオフの練習を信じて打とう」。
辛くも沈めて空を仰いだ。

伸ばしたヒゲに、白髪も交じり始めた44歳。
先週は来日前に、友人から「いつまでやるの?」と聞かれて思案した。
13、14年には左手首を2度手術。私生活の悩みも加わり低迷した。
16年のANAオープンでやっと復活Vも「もう老眼だし、今週は背中が痛いし」。
引退の二文字もよぎった開幕戦。「プロ生活もあと2年が限度かな?」。
今季最初の試合で、そのすべてを払拭できた。

2000年に来日して19年。来月にも変わる新元号は「なんだっけ…」。何度聞いても覚えられないが「アイラブニッポン」。
たとえスランプ時も春はやっぱり日本に来るのが楽しみだった。
「おいしいご飯や人々の優しさ、勤勉さ。豪州人はルーズだからね。怒りっぽいし」と、顔をしかめた本人こそキレやすく、前日も上がりの連続ボギーにおかんむり。
帰り支度もそこそこに、憮然と車に乗り込んだ。
不貞腐れて一言もしゃべらず宿に帰るとその足でサウナに直行、リフレッシュ。
居酒屋に場所を移して2人で黙々と名古屋名物の手羽先7人前をペロリ。…かなりスッキリ!
そんなストレス解消にもただニコニコと付き合ってくれるキャディの児島航さん。
卓を挟んでいつもシメにポツリとつぶやく。
「明日もまた頑張るよ、ワタル」。
コンビを組んだ2015年からそんなふうに、二人三脚を続けてきた。

この1勝で、2021年までの出場権が保証された。
「来年で最後かな、と思っていたけど。これでわからなくなったね」。
ゴルフ人生の嬉しい誤算。「歳は取ったけど、ゴルフで戦うことは好きなんだ。もうちょっと頑張ってみようかな」。
感動的なスピーチで名前を呼んで礼を述べたら、遠くで児島さんがいつもの笑顔で手を振るのが見えた。
表彰式後は2人で記念撮影におさまり感謝のハグ。ヒゲもじゃの頬からとめどなく流れ落ちた〝BJ″の涙。
「ワタルには本当に感謝している。僕のベストキャディだ」。まだまだ、2人の旅路は続く。

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