パナソニックオープン 2016

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今季こそ本業で魅せる! 池田勇太が逆転V14

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  • 爽やかさの王道、紺と白の勝負服でV!
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  • 感謝をこめて投げ込んだボール
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  • スポンサーのみなさんに心からの感謝を
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  • サインペンを走らせながら、「チャリティ、ありがと~!」

昨季の賞金王も、目下アジアンツアーの賞金ランク1位も蹴散らした。今年、いったん重責を下ろした池田が、3年ぶりに復活した7回大会を制した。鮮やかな逆転Vは、最初の9ホールで勝負は決まったようなものだった。
「前半は自分でもびっくりするくらいにバーディが獲れて」。1番、2番の連続バーディはチップイン。左足下がり、前下がりのラフから15ヤードの3打目を直接入れて「さい先いいねえ」。ゴルフはノリノリでも「なんか具合が悪い・・・」。後ろにくっついて歩いてくる石川遼の存在には、なんか池田の調子も狂う。腰痛で離脱中の今週は、テレビのラウンドリポーターをつとめる石川。マイクより「遼もクラブを持って来いって!」。
早急の復帰を促す池田らしい励ましも、背中で語った。石川が、池田に代わってその勝因を分析したのは5番だった。木に当てたティショット。あわやピンチも「2打目は木の間を抜いて、10メートルに乗せてきた。勇太さんは凄いことを、さらっとやった」。
みごとなパーセーブと、前半怒濤のバーディラッシュに「ギャラリーのみなさんのボルテージは前半でマックスまで上がっていた。勇太さんは、ゾーンに入っていた。後続の追撃も許さなかった」(石川)。

前半最後の9番も、冴え渡るアイアンであわやカップインの2打目に一気に4打差つけた。2年前に日本オープンを制したコースは「やっぱり千葉県人が勝たないと!」。今回もまた、地元ギャラリーを味方に思い出の舞台で再び頂点に立った。

新生・勇太も見せつけた。30歳を機に、クラブもウェアも一新して挑んだ今季。先週の国内開幕戦では、何人に言われたか。「遠目で見たら、誰かわからん、って」。足にピッタリ吸い付くスリムパンツに、洒落たバイザーからなびく髪はサラサラ。3タックの角刈りからの大変身に、本人も最初はもぞもぞしていた。歩く際の足さばきも以前のようにはいかず、グリーンで屈むのだけでも気を遣った。メーカーからもらったコーディネイト集を首っ引きで選んだこの日の勝負服。「そろそろ新しい自分にも、慣れてきたけど、みなさんはどうなのかな・・・?」と、イメチェンの今季は周囲の反応も大いに気になる。
「ウェアもクラブも、髪型もがらっと変わったといっても、僕の苦労なんかたいしたもんじゃない。対応してくださったスポンサーさんやスタッフのほうがてんてこ舞い。みなさんに、心から感謝を申し上げたい」。国内2戦目にして、恩人にさっそく良い報告が出来ることが、何より嬉しい。

「アジアパシフィック パナソニックオープン」との名称で、2008年から始まった今大会が一時、休止を発表したのは池田が史上最年少で選手会長に就任した最初の年。何より試合数の増加を一番の公約に掲げて重責を背負った池田には、ことのほか堪えたが「でもまた必ず復活するからと、あのとき言ってくださった」。
あの約束を本当に果たして下さった。大会スポンサーのみなさんにも、感謝の念にたえない。まして再始動の舞台として、「ここ梅郷を選んでくださって、心からありがとうございます!」。日本ツアーのみならず、アジアの選手もみな、今大会の復活を本当に喜んでいた。その厚い恩義に我こそが、最高の形で報いることが出来たのも、池田にはこの上ない喜びだ。

昨年までの3年間は「それに当てつけちゃ、いけないとは思うけれども」。男子ツアーの人気回復を誓って立候補した選手会長職は、多忙を極めた。もともと凝り性で、完璧主義者は、人並み以上に邁進してへとへとだった。
いったん、その重責を先輩の優作に託した今季は「オフもこんなにのんびりしたのは久しぶり。自分のことに、集中できたというのはあったかな」。本当に久しぶりに存分に体を鍛え直した。新しいクラブ調整にも、たっぷりと時間を割いた。これだけ準備万端で、開幕を迎えたのも久しぶりだった。

ラウンド中も、ゴルフ以外のことを考える必要がなくなった。
「去年までは“あれしたっけ”とか“これしたっけ”とか、試合中でも何か問題はないかと探していた。回っていても、誰がどこにいるとか気になった」。どこにいても、何をしても、選手会長の肩書きを外せなかった。重い肩の荷を下ろしてさっそく今季1勝を飾ったとはいうものの、ホールアウト後のスタッフへの第一声は「今日のギャラリー何人だった?」と、元・会長目線はまだまだ抜けない。

3年ぶりに再始動した今年もアジアと、日本ツアーの共同主管で行われた今大会は、賞金王の庚泰 (キョンテ)と、目下アジアンツアーの賞金1位のマーカス・フレーザーを2位に従え、「互いのツアーで盗み合い、見て学ぶ。芝質も、環境も顔ぶれも違う舞台で切磋琢磨で向上し合うことが大事なんです」。優勝スピーチでその意義を力説した。
表彰式後は真っ先に主催者が集まる場へ顔を出し、気の利いた挨拶で役員の方々を喜ばせると、今度はすぐまた、熊本地震のチャリティサイン会で長蛇の列にペンを走らせた。

大会では被災地に心を寄せて、期間中に予定していたイベントも、いくつか取りやめ、華美な演出も控える配慮をしてくださったと聞く。大地震は先週の国内開幕戦の初日に起きて、「僕らも大々的には出来ない気持ちにもなったが、やっぱりスポーツを通して与える力は大きい」と、池田は信じて疑わない。「男子は魅せるゴルフ、勇気を与えるショット。まずそういうのがないとダメ。あとは義援金とか、自分たちで出来ることを考えて、どこまで信念を持ってやっていけるか」。
貢献活動も、自分のゴルフも妥協しない。見た目こそ大変身をとげても目標は、やっぱり「最多勝利で賞金王」に変わりない。
ツアー通算14勝の喜びに、浸る間もなく「次も早めに15勝。楽しませますよ、約束します」。今季こそ本業で、男子ツアーを盛り上げる。

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